お守り、仏像コンテスト(2019年 8月 25日・ランパーン) [仏像・お守りコンテスト]
日曜日にタイ北部ランパーン市内で開催されたお守り・仏像コンテストに行ってきました。今年は毎年恒例のチェンマイのコンテスト(タイ北部最大)がなく、代わりに2番目に大きいと言われるこのランパーンの大会に参加した訳です。前日はほぼプロ中心のお守り・仏像の売り買いで会場は早朝から賑わっていましたが私は日曜日のコンテストから参加しました。今回私が出品したのは昨年手に入れたパヤオ市内の大仏寺ワット・シーコムカム寺 仏暦2512年(西暦1969年)発行のナーガ(パヤーナーク)のメダル型のお守り1点のみです。結果は2位(写真下から1枚目と3枚目)。写真では少し分かりにくいですが1位(写真下から4枚目)はかなり状態が良く、審査員に聞いたところ前回も1位だったようです。という事でこれで数ヶ月後には入賞証明書が発行されるため、お守りの状態維持の為にさっそくプラスチック製防水ケースに入れました。とりあえず無事任務完了です。ふー。
仏陀ストーリー ブロンズの鹿 [ビルマ発]
珍しいものを手に入れた。この鹿は仏陀ストーリーシリーズのものだと思うが単体の鹿は今回が初めて。とても可愛い青銅製の鹿で純粋無垢な表情をしている。きっと釈迦の説法を聴きに集まった鹿に違いないと思う。
<追記>鹿画像追加しておきます。
ドヴァーラヴァティー期 テラコッタ製人物像(チャンセン、ウートン出土)その8 [タイ発]
一昨年前にこの人物像シリーズの頭部を入手して以来、継続的に収集しているが最近運良く良いものが集まり、2点の残欠を繋げて博物館の展示品(写真2枚目)レベルに少し近づいて来た。このシリーズは私の大好きなドヴァーラヴァティー時代の美術様式でコレクションとしてもちょうど良い大きさなのでさらに極めていきたいと思っています。
<追記>2023年6月27日 ケースに入れたので写真アップしておきます。写真3枚目は文献の写真です。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
モン州立博物館(モーラミャイン) [ビルマ発]
先週の日曜日からミャンマーに行ってきました。目的はモーラミャインにあるモン州立博物館の見学です。ここには何点か英文の文献に掲載されているピュー時代の出土品が展示されており以前から気になっていたのですが、やっと行って来ました。行きはタイのメーソートからミャンマー入りしてシェアタクシーでモーラミャインを目指しました。連日の雨で予想はしていましたが大洪水(ツイッターで写真をアップしています)でしたが何とかたどり着けました。地方の美術館ですが展示品の質が高く、また品数もあり、途中停電になりましたがランプを借りてじっくり2時間以上かけて見学し、かなり楽しめました。やはりこのモン州にはピュー時代のものが複数の遺跡から発掘されており初めて見る大きい型の塼仏を拝むことが出来ました。また同時期頃のテラコッタ製のライオン像や古代ビーズ、銀貨等、その後のパガン時代もの、ハンタワディ期のもの、アヴァ時代の青銅仏やモン様式の木製仏等、かなりの優品が展示されていました。州都モーラミャインを中心として南北計約300キロがモン州ですが地理的にアンダマン海に面しており、モン州南端のイェーから南下すればタイのカンチャナブリ県やラーブリー県の西側、さらに南下すればマレー半島ですので東西貿易時代に海のシルクロードの通過点になったことはうなずけます。最後から4、5枚目の写真はコレクションの塼仏(写真下から4枚目の右側)との比較です。やっとこの塼仏の出土地がこのモン州ということが分かり、今回の旅の成果になりました。以前、この塼仏と同型のものをタイ、ロッブリー県の国立博物館で初めて見つけましたが出土地は不明のままでした。その時の記事のリンクはこちらです。https://thaiart.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
ドヴァーラヴァティー期 テラコッタ製人物像(チャンセン出土)その7 [タイ発]
ナコンサワン県チャンセン出土の人物像(テラコッタ製)をまた入手出来ました。今回も胴体胸部ですが欠損している頭部の耳飾りが残っており、とても魅力的な女性像です。写真2、3枚目は以前行ってきたチャンセン博物館に展示されている同型と思われる人物像(頭部付き)です。この型の頭部はまだ持っていないのでいつか手に入れたいと思っています。年代的には7世紀前後、ドヴァーラヴァティー期初期から中期頃のものです。前回入手した胴体胸部の記事はこちらです。https://thaiart.blog.so-net.ne.jp/2019-06-26
<追記>ロッブリー市内のナーラーイ国立博物館に状態の良い同型の女性像が展示されていましたので写真を追加しておきました(写真下から2枚目)
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
プレアンコール期 プレイ・クメン様式 [タイ発]
先月アランヤプラテート(サケーオ県)からカンボジアに入国する前に久しぶりにプラチンブリー国立博物館に行って来ました。このプラチンブリー県や隣県サケーオ県にはドヴァーラヴァティー期やプレアンコール期(6〜8世紀頃)の仏像やヒンズー神像等の遺物が発見された有名な出土地シー・マホソットやプラサート・カオノーイシーチョンプー遺跡等があり、その重要な出土品をこの博物館で拝むことが出来ます。博物館の展示品についてはまた後ほどアップしたいと思います。ところでアンコール期(9〜13世紀頃)以前の時代をプレアンコール期(6〜8世紀頃)といいますが、このプレアンコール期は4つの様式(年代)に分けられています。最初にプノン・ダ(アンコール・ボレイ)様式(西暦540-600年)、次が2017年に新たにカンボジアの世界遺産に登録されたサンボープレイクック(遺跡)様式(西暦600-650年)、次がプレイ・クメン様式(西暦635-700年)、そして最後がコンポン・プレア様式(西暦706-800年)です。前置きが長くなりましたが、写真1〜3枚目はプラチンブリー国立博物館に展示されているプレイ・クメン様式のリンテルです。3枚目はこのリンテル両端に彫られた人物像を拡大した写真です。今回はこの人物像とかなり以前に入手した同じくプレアンコール期(プレイ・クメン様式)の青銅仏(サケーオ県出土、写真4枚目)の頭部を比較してみました。その下の写真3枚が拡大して比較したものです。プレイ・クメン様式の仏像や神像を見る機会がなかなかありませんのでこのような比較になりますが流石は同時期のもので出土地も近いだけあって、顔の輪郭、螺髪の大きさや耳、口、眉などの形状、全体のバランスがよく似ています。青銅仏の年代もリンテルとほぼ同時期のプレイ・クメン様式(7世紀後半から8世紀初め)のものと言っていいと思います。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
アンコール国立博物館(シュムリアップ) [カンボジア発]
次に行ったのがアンコール国立博物館です。2007年頃にオープンしたまだ新しい博物館でかなりお金をかけて作られたと思います。展示物もとても多くじっくりと見学するなら2時間以上は必要です。内容はアンコール期(9世紀〜13世紀)の石像を細かく分けて展示されており美術の違いが解説されています。ほとんどが暗い室内に照明を当てた展示方法で一長一短はありますが石像は自然光で見たほうがいいとなと感じました。また少し違和感を感じるものもあり一部修復や直しもされているだろうと思います。ただこれだけの数を見る機会は他にはありませんので一度は見ておいていいと思います。写真は撮れませんでしたがポストアンコール期の木製仏も多くかなり見ごたえがありました。
Masterpieces of the National Museum of Cambodia
- 作者: Helen Jessup
- 出版社/メーカー: Friends of Khmer Culture
- 発売日: 2006/10/10
- メディア: ペーパーバック
プレアー・ノローダム・シアヌーク アンコール博物館(シュムリアップ) [カンボジア発]
先週20年以上ぶりにアンコール・ワットのあるシュムリアップに行って来ました。目的は博物館を見学するためです。まずはプレアー・ノローダム・シアヌーク アンコール博物館です。ここはバンテアイ・クデイというアンコール期の寺院(遺跡)から出土したものが展示されており、発掘調査を行った上智大学の先生の解説(クメール語、英語、日本語)が多く掲示されているので勉強になりました。ブロンズ製の仏像はなく、ほぼ全て砂岩製の石像ですが内容も展示品も良かったです。見張りがぴったりとくっ付いていてなかなか写真は撮れませんでしたが館内の雰囲気も良く、特に日本人にはお勧めの博物館だと思います。
Adoration and Glory: The Golden Age of Khmer Art
- 作者: Emma C. Bunker
- 出版社/メーカー: Art Media Resources Ltd
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: ハードカバー