ボストン美術館 (Museum of Fine Arts, Boston ) [その他]
先週ボストンとニューヨークに行って来ましたので美術館の写真をアップしておきます。先ずはボストン美術館です。文献で何点か東南アジア初期の美術品があるのを確認していましたがインドやインドネシア、チベット等を含めて結構楽しめました。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
ボストンとニューヨーク(祝!! 200万アクセス) [その他]
昨日からボストン入りしています。今回はボストンとニューヨークの美術館を回って東南アジア初期の美術を見てまわる予定です。後ほど記事にしたいと思います。題名にあるように今朝カウンターが200万を通過致しました。今後とも本ブログを宜しくお願い申し上げます。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
ハリプンチャイ期仏像頭部 比較 [タイ発]
チェンマイ国立博物館蔵の砂岩製仏像頭部(写真1枚目)とハリプンチャイ期のテラコッタ製仏像頭部(写真2枚目)を比較してみた。顔部分をアップした比較(写真3、4枚目)はかなり似ているが全体を比較すると印象は変わってくる。美術的に非常に興味深いのでもう少し詳しく調べてみたいが砂岩製の仏像頭部は現在展示されていない。おそらく砂岩製の方が100〜200年ほど年代が古いのではないかと思っているがまたチャンスを見つけて追究して行きたいと思っている。
<追記>東京国立博物館で開催されたタイ美術展(1987年)の展示品集にも掲載されていました。ハリブンチャイ期(13世紀)のものでしたのでテラコッタ製頭部もほぼ同じ年代のものだと思います。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
ドヴァーラヴァティー期と白鳳の塼仏 [タイ発]
かなり以前に入手したドヴァーラヴァティー期の塼仏(テラコッタ製)です。下の写真は奈良県明日香村の川原寺裏山出土の方形三尊塼仏で日本最古(7世紀)の塼仏と言われているものです。見比べてみて、顔つきや細かい点は異なりますが同じ薄い衣を見にまとった倚像(いぞう)で、丸顔や肩幅のある体型も近い。また左右の脇侍菩薩については表情も似ている。その他、蓮の花の台座、光背と菩提樹等、美術様式の共通点が多く、興味深い作例です。タイ東部、プラーチーンブリー県出土。
<追記>2020年12月22日 知り合いが最近手に入れた同型の塼仏片(写真1枚目)を掲載します。この型の塼仏を見るのは10年以上前に写真2枚目の塼仏を入手して以来初めてで、上部分を含めて全体の構図が分かったことはかなりの収穫でした。写真3枚目はこれら2点の塼仏片を組み合わせて合成してみたものです。おそらく多くは作られていない型で写真3枚目のような完品では出土していないかもしれません。年代は7〜8世紀ごろのものです。関連する記事を貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2020-01-12
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
パヤオの大仏 プラチャオ・トンルアンの古い写真 [北部タイ発]
パヤオ市内中心部、パヤオ湖のほとりにあるワット・シーコムカム寺院にはランナー時代最大の仏像プラチャオ・トンルアン仏(約500年前)が祀られているが、この仏像の古い写真を蒐集している。最近またレアな写真(写真1、2枚目)を入手した。仏暦2495年(西暦1952年)前後だと思う。コレクションの中では2番目に古い写真で仏像の足元に10人の僧侶が座っている貴重な写真です。ちなみに写真3枚目は現在の写真です。一番下の写真は集めたコレクション写真8枚です。あと1枚どうしても入手したい写真があるが現オーナーのお気に入りの為、なかなか譲ってもらえないが引き続きチャンス見て交渉にしていく予定。
Lanna: Thailands Northern Kingdom (River Books Guides)
- 作者: Donald M. Stadtner
- 出版社/メーカー: River Books
- 発売日: 2006/06/30
- メディア: ペーパーバック
神鳥ハンサ(ドヴァーラヴァティー期) [タイ発]
タイ中部チャイナット県でドヴァーラヴァティー期のビーズと共に出土した神鳥ハンサが彫られた石製の欠片(写真1、2枚目)を入手しました。今のところまだ何の欠片だったのか分からない。ハンサについて調べてみると簡単ですがヒンズー教の神鳥でブラフマー神の乗り物とあります。参考までに写真3枚目はヤンゴン国立博物館に展示されている銀製のハンサ、ピュー時代6世紀頃のものです。写真4〜6枚目はカンボジア国立博物館に展示されているプレアンコール期(6〜7世紀)大型のヨニです。ここにもハンサが彫られています。昨日のクリシュナ神もそうですが、東南アジア初期の美術にはヒンズー美術が頻繁に見られインド美術(グプタ美術)の影響が大きいと言えます。この欠片についてはまた文献漁りや博物館回りをしながら地道に手がかりを探していこうと思っています。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ神(ドヴァーラヴァティー期) [タイ発]
また博物館級のものを入手しました。もう何十年も前にウートンで出土したドヴァーラヴァティー期のテラコッタ製像の残欠(写真1、2枚目)です。どうにかして譲ってもらうことが出来ました。この像は実は「ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ神」なのです。知っている方はあまりいないと思いますが、同じ様式のテラコッタ像がプラーチーンブリー国立博物館に展示されています(写真3枚目以降)。博物館のものはシーマホーソット遺跡(プラーチーンブリー県)から発掘された像で修理はありますが頭部も一緒に出土しています。実物を見て来ましたが構図もサイズも近いものでした。ドヴァーラヴァティー期のものではこのプラーチーンブリー国立博物館で展示されている2点のクリシュナ神以外、他にも類例がもしかするとバンコク国立博物館にあるかもしれませんが、同時期プレアンコール期のものがプノンペンのカンボジア国立博物館に展示されています。写真一番下の大型の石像( プノンダ出土、7世紀初期)でその名称通り、クリシュナ神がゴーヴァルダナ山を持ち上げて人々を大雨、洪水から守る場面です。このシーンは調べるとかなり詳しく説明されていますので以下のリンクを参考にして下さい。https://www.google.com/search?rlz=1CDGOYI_enTH711TH712&hl=ja&ei=T11vXbnTD8SkwgOSgJqYBw&q=%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%8A%E5%B1%B1+%E6%8C%81%E3%81%A1%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%8B+%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%8A&oq=%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%8A%E5%B1%B1+%E6%8C%81%E3%81%A1%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%8B+%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%8A&gs_l=mobile-gws-wiz-serp.3...8221.12714..13306...1.0..1.105.737.6j2......0....1.........33i21j33i160.3s-zFbZf4hc
というわけで今回も残欠ですがとても迫力のある像で展示方法を考えているところです。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
ドヴァーラヴァティー期 人物像と仏像の比較 [タイ発]
写真1枚目は先日入手したばかりのウートンとチャンセン出土のドヴァーラヴァティー期テラコッタ製の人物像です。ちょうど文献写真(写真2枚目)と同型のものです。これらは本来「身代わり人形」なのでほとんどのものが首が折られた状態で頭部と胴体部分が分かれていますが右側の人物像のように頭部が付いた状態で入手出来たのはラッキーでした。写真3、4枚目はこの人物像の頭部と博物館のドヴァーラヴァティー期の仏像(写真5、6枚目)頭部を比較したものです。見ての通り美術様式(輪郭、眉から鼻筋、口、耳の形状等)がよく似ており、テラコッタ製人物像も仏像と同時期の7世紀頃のものと言っていいと思います。ちなみにこの写真5、6枚目の仏像はバンコク国立博物館に展示されている有名なもので下にリンクしている文献の表紙写真にもなっています。前にも紹介しましたがこの文献は東南アジア初期の仏像や神像等の写真が豊富で美術様式や年代を知る上でとても勉強になります。最近は価格も買いやすい値段になっていますので興味のある方は是非購入してみるとよいと思います。オススメです。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
ドヴァーラヴァティー期 塼仏(ナコンパトム出土) [タイ発]
博物館レベルの塼仏片を入手した。実際には完品の1/3〜1/4の残欠片ですがナコンパトム出土の大型の塼仏で裏側には古代文字が残っており実物はなかなか見られないものです。写真3、4枚目は文献掲載の同型の完品(ラーブリー国立博物館、クーブア遺跡出土)です。写真5枚目はバンコク国立博物館に展示されている同型の塼仏(No.6)です。年代的には7世紀後半から8世紀初めのものです。
<追記>2021年3月27日 博物館の完品と並べて比較した画像を追加しました。おそらく同一の型で作られたものだと思います。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー