ピマーイ国立博物館 [タイ発]
年末の博物館回りのラストです。ここも初めてでした。館内は広く展示物も多くかなり楽しめました。展示品はピマーイ遺跡で発掘された石像や青銅品がメインですがそれ以外にもナコンラチャシマ県内(コラート)で出土したドヴァーラヴァティー時代のものが小部屋に集約して展示されており8世紀頃の貴重なブロンズ像も見ることが出来ます。またポストアンコール期のものやラオス美術の影響を受けたランチャーン様式の木製仏や青銅仏も展示されていました。博物館外の敷地内にも館内に収めけれない石造彫刻が展示されていますのでこちらも必見です。石造彫刻は大きくてなかなかコレクションは難しいですが残欠だけでもすごく迫力があっていいものです。
Adoration and Glory: The Golden Age of Khmer Art
- 出版社/メーカー: Art Media Resources Ltd
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: ハードカバー
ピマーイ歴史公園(ピマーイ遺跡) [タイ発]
記事の順番が入れ替っていますが年末に行ってきた博物館と国立公園の続きです。コラートのマハーウィラウォン国立博物館を訪れた翌日にピマーイ歴史公園(ピマーイ遺跡)に初めて行ってきましたので写真を掲載しておきます。朝7時の早朝から見学しましたが空気が澄んでいて気持ち良かったです。次はこの後に行ったピマーイ国立博物館の写真を掲載します。
ドヴァーラヴァティー美術の造形 [タイ発]
一昨年前からコレクター等から譲ってもらってきたドヴァーラヴァティー期のテラコッタ製人物像ですがここまでで胴体部分(トルソー)が4つ集まりました。すべて手のひらサイズのテラコッタ像です。塼仏と違い両側から型取り(型押し?)されており立体感があり造形が美しい。非常に素晴らしい作品だと思う。博物館のように台を作って並べたい気もするが穴を開けたくないので両窓のステンレスケースを作って保管する予定。年代は7〜8世紀頃のものです。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: Guy, John
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
アルカイックスマイル (ドヴァーラヴァティー美術) [タイ発]
特注のステンレスケースが届いたのでさっそくテラコッタ製の人物像を入れた。サイズはピッタリ、これでこの像も一生安泰だろう。写真2枚目は以前にも掲載したドヴァーラヴァティー期砂岩製の仏像(8世紀、ボストン美術館所蔵)との比較です。仏陀像と人物像との違いはありますが全体的に顔のバランスが共通しており、口の形状はとてもよく似ています。この笑みが「アルカイックスマイル」と呼ばれるものではないかと思っています。アルカイックスマイルは日本の飛鳥仏や白鳳仏、また百済仏に見られる特徴の一つのようですが東南アジアの初期の砂岩製やテラコッタ製、また漆喰(スタッコ)製、ブロンズ製の仏像にも同様の微笑んだ形状の口が見られます。ドヴァーラヴァティー美術の特徴でもあり、魅力のひとつだと思います。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー