タイルー木製仏(その2) [北部タイ発]
もう1点、タイルー木製仏を掲載しましす。大きめの頭部と奥行のあるどっしりとした独特なスタイルですが不思議と良いバランスを持った像です。この像はおそらくミャンマー・シャン州のチェイントンから中国国境のあるモンラー付近のエリアから来たものだと思いますが、タイルー族の一部は雲南省シーサンパンナ(西双版納)からミャンマー・シャン州のムアンヨーンやラオス北部ムアンシン等を経由してタイ北部(チェンラーイ 、パヤオ、ナーン、プレー、ランプーン県など)にも古くから移住して来ています。写真1〜3枚目が写真屋でプロに撮影してもらったもの、写真4枚目は写真屋1階のコーヒーショップで携帯で撮ったものです。やはりちゃんとしたカメラで大きなフラッシュを使用した写真は出来が良いです。展示の仕方についても照明や背景等を工夫してみると見栄えが全然変わってきますので皆さんも是非いろいろ試してみて下さい。年代的には19世紀(150年前頃)のものです。美術的に関連する可能性があるので過去の記事「プレー県ロン郡 シードーンカム寺の木製仏」のリンクを貼り付けておきます。
https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2016-11-17
<追記>今日この記事を更新してから分かったのですがちょうど5年前の今日12月18日にタイ北部プレー県開催の仏像、お守りコンテストでこちらのタイルー木製仏を出品し1位を獲得しました。コンテストの記事を貼りつけておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2016-12-19
Burmese Buddhist Sculpture: Johan Moyer Collection
- 作者: Karow, Otto
- 出版社/メーカー: White Lotus Co Ltd
- 発売日: 1995/02/01
- メディア: ペーパーバック
タイルー木製仏 [北部タイ発]
久しぶりにタイルー族の木製仏の写真を掲載します。出どころはタイ北部ランプーン県です。ランプーン県には昔からタイルー族が多く住んでいます。もともとミャンマーのシャン州や西双版納(シーサンバンナ)から移住して来た方々です。ですのでタイルー族のお寺も多くあります。この木製仏はランナー時代(19世紀頃)のものですのでタイではランナー木製仏 タイルー様式と呼ばれています。台座にはタイルー文字が刻まれており、美術様式からミャンマーシャン州で作られたものだと思います。最後の写真は7年ほど前にこの木製仏が骨董店で展示されていた時のものです。店主の勧めもありこの日購入しました。お顔が良く気に入っています。懐かしい写真が見つかったので記事にしました。
Burmese Buddhist Sculpture: Johan Moyer Collection
- 作者: Karow, Otto
- 出版社/メーカー: White Lotus Co Ltd
- 発売日: 1995/02/01
- メディア: ペーパーバック
ナーガ仏 ランナー期(ブロンズ製) [北部タイ発]
凄くいいものを手に入れました。タイ北部ランナー期のナーガ仏(ナーガ神に守られた仏陀像)です。ナーガの塒(とぐろ)部分が台座になっておりナーガの頭部分は瞑想する釈迦に覆いかぶさるように雨風から守っています。年代的には同じくランナー期のブロンズ像ナーンクアック(招き女人像)と同時期(19世紀〜20世紀初め)のもので繊細な造りですが一点ものの手作り感のある作品です。黒光りしたブロンズもいい感じです。なかなかない見つからないもので久しぶりに入手出来て嬉しい。参考にランナー期の青銅シリーズ ナーンクアック(招き女人像)の記事リンクを貼りつけておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2019-04-25
Lanna Style: Art and Design of Northern Thailand
- 作者: Warren, William
- 出版社/メーカー: Monsoon Editions
- 発売日: 2003/11/01
- メディア: ハードカバー
メコンを望む(チェンコーン 丘の上から) [北部タイ発]
久しぶりにチェンセン青銅仏(シンサーム様式)の写真をアップします。写真1枚目は夜の照明下で、写真2枚目は日中外で撮影した同じものです。ブロンズ表面の色が異なって見えます。また日中は瞳がよく見えます(3枚目右側)。最後の写真はタイ北部チェンセンからチェンコーンに向かう途中の丘の上から撮影したものです。現在は向こう側がラオス、こちら側はタイですが、この付近では向こう側でもチェンセン時代の仏像が発見(出土)されています。この後メコンはラオス内部に入りルアンパバーンを経由して南下します。素晴らしい所で下でコーヒーを買って何度も眺めに行きました。
Buddhist Sculpture of Northern Thailand
- 作者: Stratton, Carol
- 出版社/メーカー: Serindia Pubns
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: ハードカバー
ランナーのお守り布 牛(丑) [北部タイ発]
最近入手した北部タイ(ランナー)のお守り布(パーヤン)です。今年の干支の牛(丑)が墨で手書きされています。現物はまだ見れていませんが年代はおそらく仏暦2500年頃かそれ以前のものだと思います。とても雰囲気のあるパーヤンで御利益は悪霊(幽霊)除けです。
Tai Magic: Arts of the Supernatural in the Shan States and Lan Na
- 作者: Conway, Susan
- 出版社/メーカー: River Books
- 発売日: 2014/12/30
- メディア: ハードカバー
チェンセン・チャイプラーカーン(ファーン)様式 青銅仏残欠 [北部タイ発]
先日、チェンセン・チャイプラーカーン(ファーン)様式の青銅仏の(体部分の)残欠を入手した。緑青の美しい残欠で、以前入手した頭部分の残欠と合わせてみたところサイズや青銅の状態がほぼピッタリだったのでさっそく頭部分を設置出来る台座を発注した。その台座が本日(写真2枚目のように)イメージ通りに仕上がり、残欠2点がチェンセン国立博物館に展示されている同様式(写真3枚目左側)とそっくりにレベルアップしました。
Buddhist Sculpture of Northern Thailand
- 作者: Stratton, Carol
- 出版社/メーカー: Serindia Pubns
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: ハードカバー
タイスマイル 仏像頭部(チェンセン・ファーン様式) [北部タイ発]
タイスマイルと言っても航空会社ではなくタイの微笑みのことです。この青銅仏頭部は昨年タイ北部で出土したものでチェンセン・チャイプラーカーン(ファーン)様式 16世紀頃のものです。400年〜500年は地中にあったのもで出土直後(写真2、3枚目)は表面に土が硬く付着した状態でした。この状態でも薄っすらと仏像の表情が分かりますがクリーニング後の仏の微笑みはとても素晴らしいです。ちなみに写真4枚目はチェンセン国立博物館に展示されている同様式のものですが顔がよく似ています。前オーナーがケースを作ってくれたましたが首からぶら下げるのは少し大きいのでこのままの状態で大事にしたいと思います。
Buddhist Sculpture of Northern Thailand
- 作者: Stratton, Carol
- 出版社/メーカー: Serindia Pubns
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: ハードカバー
チェンセン・パヤオ様式 仏像頭部(砂岩製) [北部タイ発]
前々から欲しかったチェンセン・パヤオ様式の砂岩製頭部(写真1〜4枚目)を入手しました。破損はありますが流石は本物の美術でとても良い顔をしています。写真5枚目は文献に掲載されているものですがパヤオ市内のワット・リー寺院の展示室に保管されている同様式のものです。これは宝冠仏で珍しいタイプですが写真6枚目のように2点を比べてみると顔部分はそっくりです。年代的には西暦16〜17世紀のものです。
Buddhist Sculpture of Northern Thailand
- 作者: Stratton, Carol
- 出版社/メーカー: Serindia Pubns
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: ハードカバー
ランナー木製仏 パヤオ様式? [北部タイ発]
ランナー木製仏 19世紀頃のものです。袈裟と同じ黄色に装飾された木製仏はラオスでは見られるますがタイではあまり見かけません。また横から見るとよく分かりますが上半身が少し前に傾いた姿勢をしておりラオス木製仏に近い美術の木製仏です。ですが顔はラオスではなくタイの仏像です。ラオスに隣接するタイ北部ナーン県にも近いものがありますが結論から言うとパヤオ県のものだと思います。写真3枚目はパヤオ県ウィアンロー遺跡の博物館の展示品、写真4枚目はパヤオ県チェンカム郡タイルー文化センターの展示室で見たものです。これら2点は16〜17世紀のチェンセン(パヤオ様式)の石仏ですが19世紀頃に外側を同様の色で装飾されています。そして写真5枚目は文献の石仏頭部(チェンセン・パヤオ様式、16世紀)との比較ですが全体のバランスや形状がよく似ており当時の美術様式を継承しているようです。本日タイはウィサカブーチャ(仏誕節)と言う重要な仏教の日(仏日)です。
パヤオ県チェンカム郡 プラナンディン寺の仏像 [北部タイ発]
前から欲しかったプラチャオ・ナンディン仏の古い写真を手に入れた。プラチャオ・ナンディン仏とはタイ北部パヤオ県チェンカム郡ワット・プラナンディン寺に祀られている砂岩製の仏像で約500年前のチェンセン・パヤオ様式の仏像です。この仏像の名称でもある「ナンディン」とはタイ語で「ナン」は座る、「ディン」は土という意味で、その名の通り台座ではなく、土(地面)に直接座っている珍しい坐像で地元のチェンカム郡の人々に親しまれ、パヤオ市内中心部のプラチャオ・トンルアン仏と並んで御利益がある仏像としてとても人気があります。写真2〜4枚目は現在のプラチャオ・ナンディン仏(冬衣装?)です。仏像後方の壁画が当時のままということが分かると思います。またこの写真の右下隅(写真5枚目)にはエンボス印で「写真室 センサネー チェンカム郡」と入れられており60年ほど前に当時チェンライ県チェンカム郡(現在はパヤオ県チェンカム郡)で初めてオープンした写真店センサネーで現像されたものと分かっています。
Buddhist Sculpture of Northern Thailand
- 作者: Carol Stratton
- 出版社/メーカー: Serindia Pubns
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: ハードカバー