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ドンダップ省博物館(オケオ文化 ) [ベトナム発]

先週、ドンダップ省博物館に行って来ました。昨年8月以来、2度目。今回は記事にしておきます。ドンダップ省はカンボジア南部に接しており、省の北側から南側にメコン川が流れています。博物館は省都カオラインにあります。ここに展示されている大型のヴィシュヌ神像(石像、写真3枚目)はドンダップ省東部で1998年に発掘されたものてベトナムの国宝に指定されています。写真4枚目のヴィシュヌ神像も国宝です。写真10枚目からはコレクションのヴィシュヌ神像(右側)と比較をして見たものです。顔の表情は異なりますがふっくらとした頬や顎の輪郭や、胸部から腰までの身体のライン(スタイル)がよく似ています。ドンダップ省博物館に展示されている3体のヴィシュヌ神像はカンボジアのアンコールボレイ様式(プレアンコール期)の影響を強く受けているように思えました。扶南(オケオ文化)というよりは真臘(チェンラ)に近い印象です。来年カンボジアの博物館で再度良く勉強してきたいと思っています。
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東南アジアの博物館、おすすめ(仏教美術関連) [ベトナム発]

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2018年ぐらいから2023年にかけて、コロナの時期を除いた3〜4年間で、東南アジアの多くの博物館を訪れました。以下がそのリストです。このリスト以外にも小さな街、寺院や遺跡、出土地に隣接する小規模な博物館(展示室)にも行きました。一番の目的は東南アジア初期のヒンドゥー、仏教美術を見る為です。1、2ヶ所を残してほぼ全てまわれたと思います。タイは多いのでエリア別に分けました。また国、エリア別のおすすめも書いておきます。何かの参考になれば幸いです。写真はアンザン省のクメール族の村です。

(タイ北部)
チェンマイ国立博物館
ランナー郷土史博物館(チェンマイ)
ハリプンチャイ国立博物館(ランプーン)
チェンセーン国立博物館(チェンラーイ)
メーファールアン芸術文化公園(チェンラーイ)
ナーン国立博物館
ニタット文化会館(パヤオ)
ワット・リー、ウィアンパヤオ博物館(パヤオ)
・おすすめはハリプンチャイ国立博物館です。理由はハリプンチャイ美術がたくさん見れるからです。博物館以外にもタイ北部の寺院はチェンセン美術、ランナー美術の宝庫てす。

(タイ中部)
バンコク国立博物館(バンコク)
ジム トンプソンの家(バンコク)
プラ・パトム・チェディー国立博物館(ナコンパトム)
チャオサームプラヤー国立博物館(アユタヤ)
ウートーン国立博物館(スパンブリー)
スパンブリー国立博物館(スパンブリー)
ナーラーイ国立博物館(ロッブリー)
チャンセーン博物館(ナコーンサワン)
ラームカムヘーン国立博物館(スコータイ)
カムペーンペット国立博物館 (カンペーンペット)
ラチャブリー国立博物館(ラチャブリー)
プラチンブリー国立博物館(プラチンブリー)
・おすすめはウートーン国立博物館とプラチンブリー国立博物館です。タイ初期、ドヴァーラヴァティー期のものが中心で館内の展示も素晴らしいです。ロッブリーのナーラーイ国立博物館は遺跡の内部にあり雰囲気もいいです。バンコク国立博物館は展示品の質も量も半端ではないので見学に半日はかけるつもりで行きましょう。途中、要休憩です。

(タイ東北部)
コーンケーン国立博物館
ピマーイ国立博物館(ナコーンラーチャシーマ)
マハーウィラウォン国立博物館(ナコーンラーチャシーマ)
ワット プラタートパノム博物館(ナコーンパノム)
・おすすめはコーンケーン国立博物館です。タイ東北部の美術はここでじっくりと勉強しましょう。

(タイ南部)
タラン国立博物館(プーケット)
ソンクラー国立博物館
ナコンシータンマラート国立博物館
・3ヶ所とも素晴らしい博物館です。一番のおすすめはナコンシータンマラート国立博物館です。シュリーヴィジャヤ美術関連。

(ミャンマー)
国立博物館(ヤンゴン)
ミャンマー国立博物館 (ネピドー)
インワ考古学博物館(サガイン)
Sri Ksetra考古学博物館(ピイ)
バガン考古学博物館
モン州立文化博物館(モーラミャイン)
シャン州Cultural Museum(タウンジー)
・おすすめはピューの遺跡とその出土品が見れるSri Ksetra考古学博物館。そしてミャンマーの首都ネピドーのミャンマー国立博物館です。

(カンボジア)
カンボジア国立博物館(プノンペン)
アンコール国立博物館(シェムリアップ)
プレアー・ノローダム・シアヌーク=アンコール博物館(シェムリアップ)
・おすすめは断トツでカンボジア国立博物館(プノンペン)です。

(ベトナム)
ベトナム国立歴史博物館(ハノイ)
ダナン・チャム彫刻博物館(ダナン)
歴史博物館(ホーチミン市)
ホーチミン市美術館
以下メコンデルタ地域
ロンアン省博物館
ティエンザン省博物館
カントー省博物館
アンザン省博物館
キエンザン省博物館
ビンロン省博物館
ドンタップ省博物館
クメール族文化博物館(チャビン省)
・おすすめは歴史博物館(ホーチミン市)とメコンデルタ地域ではアンザン省博物館です。扶南、オケオ文化関連。

(ラオス)
ルアンパバーン国立博物館
ラオス国立博物館(ヴィエンチャン)
ワット・ホーパケオ(ヴィエンチャン)
ワット・シーサケット(ヴィエンチャン)
・おすすめはやはりルアンパバーン国立博物館です。ヴィエンチャンではワット・ホーパケオが一番です。

(インドネシア)
インドネシア国立博物館(ジャカルタ)

(その他)
メトロポリタン美術館
ボストン美術館
東京国立博物館
奈良国立博物館
京都国立博物館
大阪市立美術館
奈良文化財研究所飛鳥資料館

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クメール族文化博物館(南部チャビン省) [ベトナム発]

先月、ベトナム南部(メコンデルタ)の町、チャビン(チャーヴィン)市内にあるクメール族文化博物館に行ってきました。チャビン省はソクチャン省同様にクメール族が多く住む町で、ベトナムに2つあるクメール族の博物館がこの2つの省にあります。ソクチャン省には昨年行きました。チャビン省はメコンデルタの他の省に比べ少しマイナーな省で情報量が少なく「地球の歩き方」にもこの博物館は記載されていませんが、立派な博物館で内容も素晴らしいので記事にしておきます。また博物館に隣接するクメール様式の寺院(アン寺)やチャビン市内にも多くのクメール族の寺院があり、今回行ってとても気に入りました。写真1〜6枚目がアン寺の写真です。写真7枚目以降が隣接するクメール族文化博物館の写真です。写真8、9枚目はこの博物館に展示されてある今回どうしても確認しておきたかったチャビン省出土のヴィシュヌ神像(砂岩製、7〜8世紀、オケオ文化)です。非常に雰囲気が良くお勧めの博物館です。以上

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ヴィンロン省博物館(オケオ文化 ) [ベトナム発]

先週、1年ぶりにホーチミン市からさらに南のメコンデルタに行って来ました。今回の目的の1つがこのヴィンロン省博物館でした。初日にカントーのホテルにチェックインし、翌日からカントーを拠点にヴィンロン省、ティエンジャン省、アンザン省に行ってきました。記事はまず最初に行ったヴィンロン省博物館です。ここには扶南国の3つの遺物が展示されています。写真4枚目はヴィシュヌ神像です。この石像は国宝です。次に中央の大型の像はサラスヴァティー神像(ビンズー教の女神)です。最後は右側のリンガです。共にヴィンロン省て出土したヒンズー美術の6〜7世紀のものです。いいものが見れ来た甲斐がありました。これでオケオ周辺の博物館はすべて見ることが出来ました。最後から2枚目の写真はコレクションのヴィシュヌ神像とこの博物館のヴィシュヌ神を横から見て比較したものです。見ての通り、上半身が斜めに反ったスタイルはこの時代に作られたヴィシュヌ神の特徴の1つだと言っていいと思います。ただ(これは私の推測ですが)博物館のヴィシュヌ神像は首が補修されているかもしれません。というのは顔の向きがまっすぐになっているからです。元々は少し斜め上を向いていたのではないかと思います。参考に過去の記事リンクを貼り付けておきます。同時期の他のヴィシュヌ神像のスタイル(側面)を比較してみた記事です。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2023-01-23
最後の写真はヴィンロン省とティエンジャン省の県境のメコン川に架かるミートゥアン橋から撮影したもの(東側)です。
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弥勒菩薩に変身したヴィシュヌ神像 (扶南美術) [ベトナム発]

歴史博物館(ホーチミン市)に展示されている扶南国の弥勒菩薩像(砂岩、7〜8世紀、ビンロン省出土)と写真4枚目、タイ東北部出土の弥勒菩薩像の上半身残欠(ブロンズ製)を比較(写真5枚目)してみました。(写真1〜3枚目)大型の弥勒菩薩像(砂岩製)はヴィシュヌ神の化身と博物館の記述にあり、他ではほとんど見ることはないとても珍しいものです。タイ東北部でも大型の弥勒菩薩像がブリラム県プラコーンチャイ郡やナコーンラーチャシーマー県から出土しています。特にプラコーンチャイ出土の青銅製の菩薩像は海外でも評価が高く、そのほとんどの優品がアメリカやヨーロッパの博物館やコレクターのコレクションになっています。このブログでも何度か記事にしていますので過去記事のリンクを貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2019-10-04
前置き長くなりましたが頭部を比較した写真でも分かるように顔や美術様式が非常によく似ています。この2点はほぼ同時期に作られたものだと思います。

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扶南美術とドヴァーラヴァティー美術 比較 [ベトナム発]

歴史博物館(ホーチミン市)に展示されている写真右側の扶南国の木製仏(国宝、6〜7世紀、ドンタップ省出土)とタイ東部出土のドヴァーラヴァティー期青銅仏(7世紀後半〜8世紀初)を比較(写真1、2枚目)してみました。このベトナム歴史博物館(ホーチミン市)には計4体の木製仏が展示されています。そのうち一番右側の2メートル以上ある木製仏だけが「腰をくねらせた」タイプのものです。タイ出土の同タイプの青銅仏(左側)と見比べるてみても、体形や姿勢がとてもよく似ています。タイとベトナムは隣接していませんが、互いにその間にあったカンボジアのプレ・アンコール美術(6〜8世紀)の影響を受けたとすれば理解しやすいです。また国によって少し見解は異なりますが、この時期は現代のタイ中部から南部、カンボジアとベトナム南部は扶南王国の支配下(写真6枚目)にあったとされていますので納得出来ます。最後の写真は機内から撮ったメコンデルタ付近の眺めです。参考まで。
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<追記>2023年10月27日 同じ青銅製のプレアンコール期(アンコール・ボレイ様式)の仏像(左側)とも比較してみました。年代的にも近いもので体型や姿勢がよく似ています。この時期の仏像頭部は少し顎を引き、若干うつむきかげんです。胸部はフラット、お腹部分は少し出ています。体のラインが繊細に表現されています。
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ヴィシュヌ立像(オケオ文化、6〜7世紀 )歴史博物館(ホーチミン市) [ベトナム発]

再度、ベトナム歴史博物館(ホーチミン市)を訪れオケオ出土のヴィシュヌ神像(石像)を見て来ました。写真1枚目はオケオおよびオケオ周辺で出土した発掘品です。この中にある青銅製のヴィシュヌ神像(写真1枚目の上段右側から2つ目、キエンザン出土)はベトナムの国宝に指定(2012年)されています。写真2枚目が砂岩製のヴィシュヌ神像で右側がオケオ(アンザン省出土、6〜7世紀)のもの、左側がロンアン省出土(6〜7世紀)のものです。ロンアン省もカンボジア南部と接しています。この2体のヴィシュヌ神像と一昨年前に入手したヴィシュヌ神像(左側)を比べたものが写真5〜11枚目です。表情、顔の輪郭、頭部の形状、肩や胸部から腰までのラインや、横から見た上半身から下半身の体形や姿勢など、やはり同系列のもので、年代的にも同時期のものだと思います。結論は変わらず、一昨年入手したヴィシュヌ神像はオケオ及びオケオ周辺で作られた扶南国6〜7世紀ごろのものだと思います。証拠は今回の比較と以前比較したカントー省博物館蔵のヴィシュヌ神像との比較(記事のリンク:https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2022-09-03)ですべてです。これ以上の比較はたぶん無理なので、ヴィシュヌ神像の考察はこれが最後になります。
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右側のヴィシュヌ神の記述
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左側のヴィシュヌ神の記述
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右側のヴィシュヌ神との比較(写真4枚)
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左側のヴィシュヌ神との比較(写真3枚)E61D6AEE-26E8-4951-ACD8-2D6824BDAECC.jpeg291842FF-B37D-45EB-AE40-A4E1FB1DF678.jpeg5545FF18-09CD-4948-9A2D-0F516CD98425.jpeg
ここからは博物館の様子です。AD3879CC-87EA-4536-9EAE-4CD3437A9FE9.jpegC7CB4DE5-8AAF-4206-80B0-9985C4F400FF.jpeg2E79D379-3589-4104-AF75-287BB1B157F1.jpeg891C50A2-4D55-423D-9A38-E4CC9F765B18.jpeg66DF5A3B-5317-416B-95A6-829BCDFF4E38.jpeg

<追記>2023年3月2日 最後にもう1点比較します。写真はホーチミン市美術館に展示されているヴィシュヌ神のトルソー(タイニン省出土、7〜8世紀)です。タイニン省は省の半分以上がカンボジアとの国境に接している省で、個人的にはアンコール・ボレイやプノン・ダ美術に近いと思います。胴体部の比較だけでも体型(スタイル)がそっくりで、ほぼ同時期のものだと推測出来ます。
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<追記>2023年5月28日 もう1点比較します。こちらもホーチミン市美術館に展示されているヴィシュヌ神(タイニン省出土、6〜7世紀)です。こちらは頭部は残っていますが修理されている為、首が長くオリジナルの時よりも首が長くなってしまっていますが、顔の表情や胴体部の繊細な造りを見てもかなり優品だと言えます。3枚目が比較した写真ですがこちらも体型(スタイル)がそっくりで、ほぼ同時期のものだと思います。参考まで
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ヴィシュヌ立像(扶南、シュリーヴィジャヤ様式)その6 [ベトナム発]

台座を作って来たので(完結)の予定でしたが、記事を追加します。台座は台座屋に預けて作ることも出来ますが微妙な傾きなど可能な限り本物に近づけたいので再度博物館のものと比較してみました。写真4枚目はホーチミン市のベトナム歴史博物館蔵のヴィシュヌ神像(オケオ周辺出土)、写真5枚目はナコーンシータマラート国立博物館蔵のヴィシュヌ神像(タイ、ナコーンシータマラート出土)、写真6枚目はプラーチンブリー国立博物館のヴィシュヌ神像、写真7枚目はプノンペンのカンボジア国立博物館のヴィシュヌ神像です。見てのとおり、ヴィシュヌ神像は仏像とは異なり、姿勢が斜め上に反っており、頭部は少し上を見つめています。今回この部分にこだわりました。そして完成したものが写真2、3枚目と写真8枚目以降は側面(左側:作ったもの、右側:博物館)を博物館のものと比較したものです。側面の傾きがほぼイメージ通りになったと思います。体型や表情からはオケオ周辺出土のヴィシュヌ神(写真4、8枚目)やナコーンシータマラート出土のもの(写真5、9枚目)との比較がもっとも似ており、このヴィシュヌ神は扶南、シュリーヴィジャヤ系統のものということ分かります。参考にまで。過去の記事(その1〜5)のリンクを貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/search/?keyword=%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%8C%E7%AB%8B%E5%83%8F+%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%A4

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<追記>2023年1月27日 このヴィシュヌ神像がオケオ周辺出土のもの(ベトナム歴史博物館蔵)と体型や横顔が近いと記事で書きましたが側面を拡大した写真を掲載しておきます。結論的にはやはり記事(その5)で書いたようにオケオ周辺で作られたヴィシュヌ神像と思います。正面から見た比較は記事(その1)に掲載していますのでリンクを貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2021-10-10
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<追記>歴史博物館(ホーチミン市)に展示されているオケオ出土の2体のヴィシュヌ神像と比較した最新の記事を貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2023-02-15


Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Fashion Studies)

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2023年「タイ骨董日記」ブログ始め [ベトナム発]

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あけましておめでとうございます。今年はうさぎ年なのでカンボジアのココナッツカッター(うさぎの木彫り)を飾ってみました。うさぎの手前はイノシシの木彫り(タイ北部、ランナータイ)で私の干支です。ウサギと共に歩むという意味です。ちなみにベトナムではうさぎ年ではなく、ねこ年になります。今年も宜しくお願いします。
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ヴィシュヌ立像(扶南、シュリーヴィジャヤ様式)その5(完結) [ベトナム発]

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先月約3年ぶりにベトナムに行ってきました。1ヶ月弱滞在しましたがそのうちの10日間をメコンデルタで過ごしました。今回は前回行かなかったカントー省博物館とドンタップ省博物館、それからオケオ遺跡をホテルで借りたバイクで廻りました。またクメール族が多く住む街ソクチャン省にも行ってきました。写真1枚目がベトナム南部のメコンデルタと呼ばれる地域の簡単な地図です。見ての通り中心にメコン川とその支流が流れているエリアです。赤い点を付けたところがオケオの位置です。見ての通りオケオはアンザン省にありますがキエンザン省とカントー省の県境に近いことが分かります。メコン川沿い北側(色がクリーム色になっている部分)はカンボジア南部のタケオ州です。扶南国の都市があったとされるアンコール・ボレイやプノン・ダ寺院があるところです。青丸で囲った省は(博物館)訪問済み省です(2023年10月更新)。今日は以前から何度も記事にしてきた(タイ南部で出土した)四臂のヴィシュヌ神の石像(写真2枚目)について自分なりの結論を書きます。写真3枚目は今回の旅で行ったカントー省博物館に展示されているヴィシュヌ神像(砂岩製、6〜7世紀、オケオ文化)でカントー省内で出土したものです。写真3枚目左側の像は上半身部分だけですが文献にも掲載されています(写真7枚目)。写真4枚目は3枚目真ん中の石像を拡大したものです。この像とタイ南部出土のヴィシュヌ神像を比較したのが写真5、6枚目です。見て通り、美術様式、砂岩の材質感もとてもよく似ていました。またサイズ的にもタイではあまり見かけ小型サイズです。写真6枚目は頭部を拡大して比較したものですが、(インド人風の?)彫りの深い顔立ち、耳の形状、写真6枚目の下側の中型サイズ(左:カントー省博物館、右:ロンアン省博物館)のものを含めても言えますが少しタレ目がちで目尻が長い作風もよく似ていました。以上、結論はタイで入手した四臂のヴィシュヌ神像はベトナム南部カントー省又はオケオ周辺で作られたものが当時船でタイ南部のスラータニーもしくはナコーンシータマラート付近に運ばれてきたものだと思います。年代的には扶南末期の6世紀末から7世紀前半頃のものだと思います。参考に以前の記事のリンクを貼り付けておきます。(完結)
https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2021-10-10
https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2021-10-23

<追記>完結しましたがもうひと記事続きを書きましたのでリンク先を貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2023-01-23

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