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ドヴァーラヴァティー期の塼仏片 倚像(ナードゥン郡出土) [タイ発]

タイ東北部、ナードゥン郡出土の倚像の塼仏片を手に入れました。倚像の塼仏は日本でも仏教美術が伝来した来た頃の飛鳥時代や奈良時代のものに見られます。もともとはインドから流れて来た美術で中国の唐時代(初唐)、東南アジアではタイ初期の美術であるドヴァーラヴァティー期やシュリーヴィジャヤ期、またミャンマーのピュー時代、カンボジアのプレアンコール期などの仏像に見られます。写真4枚目は東京国立博物館に展示されている倚像の塼仏(飛鳥時代、7世紀)と写真6枚目も同じく東京国立博物館に展示されている砂岩製の仏像(唐時代、8世紀)とそれらと並べて比較したものです。塼仏の比較では型は異なりますが、美術様式に多くの共通点が見られ、腰や下半身の衣のラインなどもよく似ています。年代的にも同時期ごろのものだと思いますが、ナードゥン郡出土の塼仏は8〜9世紀ごろのものと言われています。
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<追記>もう1点比較してみました。こちらも東京国立博物館に展示されている飛鳥時代の塼仏(7世紀、明日香村 橘寺出土)です。参考まで。
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The Roots of Thai Art

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アンコール・ボレイ様式 青銅仏(祝!シーテープ遺跡 世界遺産登録) [カンボジア発]

昨日19日にタイに嬉しい一報が届きました。タイ北部(中北部)のペッチャブーン県にあるシーテープ遺跡が世界遺産に正式に登録されたからです。タイにある古代遺跡ではスコータイ遺跡、アユタヤ遺跡に次ぐ3つ目で、ドヴァーラヴァティー王国時代に作られた最初の世界遺産になりました。シーテープ遺跡はスコータイやアユタヤ遺跡と比べて、日本人にとってはまだかなりマイナーな遺跡ですが、これを機にドヴァーラヴァティーという言葉ももっと知れ渡るようになればと思います。写真4枚目以降がシーテープ遺跡の写真です。実はまだ行ったことがなく、いずれ行くつもりです。前置きが長くなりましたが、シーテープ遺跡が世界遺産に登録されたことにより、海外の有名博物館に展示されているシーテープ出土と思われる仏像やヒンドゥー神像のニュースもsnsを通し流れました。そのうちの1つが写真1〜3枚目(右側)の石像です。アメリカのクリーブランド美術館のコレクションになっている大型(約114センチ)の仏陀立像です。年代はドヴァーラヴァティー期 7世紀初め頃ものです。毎度のことですがアンコール・ボレイ様式の青銅仏(写真左側)と比較してみました。青銅像は高さが11センチ弱なので両者のサイズはまったく異なりますが、美術様式は非常によく似ています。作られた年代もほぼ同時期のものだと思います。ドヴァーラヴァティー王国時代の遺跡(仏塔、寺院跡)ではナコンパトム県の仏塔プラ・パトム・チェーディーが最も有名ですが、シーテープ遺跡はそれよりも早い時期のものだと言われています。その理由の1つにシーテープ遺跡ではスーリヤ神像やヴィシュヌ神像などの大型のヒンドゥー神像が発見されているからです。この点は今後さらに追究され、公に発表されていくでしょう。このアンコール・ボレイ様式(プレアンコール期)の青銅仏の過去記事のリンクを貼り付けておきます。こちらも合わせてご覧下さい。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2019-06-01

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<追記>2023年9月24日 タイ中部ロッブリー県 ナーラーイ国立博物館に提示されているシーテープ出土の石仏(写真1枚目左側)の顔つきと体つき(スタイル)がアンコール・ボレイ青銅仏とよく似ているので並べて比較してみました。シーテープは扶南国のあったアンコール・ボレイ(カンボジア南部)やベトナム南部(オケオ周辺)と繋がりがあったことが美術様式からも想像出来ます。先週、シーテープ遺跡が世界遺産に登録されたことからシーテープ出土の遺物に関心が集まっています。バンコク国立博物館でも世界遺産登録を記念して特別展示室を作られています。最後の写真4枚がその様子です。参考まで。
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<追記>2023年9月25日 最後にプノンペンのカンボジア国立博物館に展示されている本家本元 アンコール・ボレイ出土の石仏(プノム・ダ様式、6世紀)と比較してみました。この像は東南アジアの仏像の中でも最も初期に作られた石仏(写真1枚目とその記述)で、インド、グプタ朝(4〜6世紀)の影響を強く受けた像です。顔つきからもしかするとインドから来た仏師によって作られたものかもしれません。参考まで。
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<追記>2023年10月5日 もう1点、今度はホーチミン市美術館に展示されている石像(キエンザン省出土、6〜7世紀)と比較してみました。顔つきから分かるようにこの像もグプタ朝(4〜6世紀)の影響を強く受けた東南アジア初期の仏像です。参考まで。
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<追記>2023年10月8日 また比較です。今回はハノイのベトナム国立歴史博物館に展示されている木製の仏像(メコンデルタ出土)と比較してみました。年代はホーチミン市の歴史博物館に展示されている扶南国の木製仏と同様に記述は4〜6世紀となっていましたが6世紀のものだと思います。この木製仏はおそらくの地元の仏師によって作られたものだと顔つきから想像出来ます。参考まで。
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Arts of Ancient Viet Nam: From River Plain to Open Sea (Museum of Fine Arts)

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ナードゥン郡出土(マハーサーラカーム県)の塼仏片 [タイ発]

久しぶりにナードゥンの塼仏を入手しました。出土前からの破損はありますが仏像部分がよく残った塼仏残欠です。有名な型で文献にも掲載(写真2枚目)されています。文献のものを見ての通り、菩提樹の下で瞑想する仏陀の型で仏陀の両脇には仏塔がデザインされています。型の中で仏像部分が占める割合が大きく、又、型に奥行き(立体感)があり、ドヴァーラヴァティー様式のとても迫力ある塼仏です。今回入手したものにもハスの花台座や仏塔の一部がよく残っています。写真3枚目は文献掲載(左下のもの)のものと比較した写真です。年代は8〜9世紀頃のものです。D3E7AE0C-266E-4218-AD5C-3B84E0AD42B3.jpeg
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ヴィンロン省博物館(オケオ文化 ) [ベトナム発]

先週、1年ぶりにホーチミン市からさらに南のメコンデルタに行って来ました。今回の目的の1つがこのヴィンロン省博物館でした。初日にカントーのホテルにチェックインし、翌日からカントーを拠点にヴィンロン省、ティエンジャン省、アンザン省に行ってきました。記事はまず最初に行ったヴィンロン省博物館です。ここには扶南国の3つの遺物が展示されています。写真4枚目はヴィシュヌ神像です。この石像は国宝です。次に中央の大型の像はサラスヴァティー神像(ビンズー教の女神)です。最後は右側のリンガです。共にヴィンロン省て出土したヒンズー美術の6〜7世紀のものです。いいものが見れ来た甲斐がありました。これでオケオ周辺の博物館はすべて見ることが出来ました。最後から2枚目の写真はコレクションのヴィシュヌ神像とこの博物館のヴィシュヌ神を横から見て比較したものです。見ての通り、上半身が斜めに反ったスタイルはこの時代に作られたヴィシュヌ神の特徴の1つだと言っていいと思います。ただ(これは私の推測ですが)博物館のヴィシュヌ神像は首が補修されているかもしれません。というのは顔の向きがまっすぐになっているからです。元々は少し斜め上を向いていたのではないかと思います。参考に過去の記事リンクを貼り付けておきます。同時期の他のヴィシュヌ神像のスタイル(側面)を比較してみた記事です。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2023-01-23
最後の写真はヴィンロン省とティエンジャン省の県境のメコン川に架かるミートゥアン橋から撮影したもの(東側)です。
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Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Fashion Studies)

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  • 作者: Guy, John
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青銅手コレクションとお知らせ [タイ発]

ブロンズ製の仏の手コレクションです。正確には写真1枚目の一番上の手は菩薩の手、下から2つ目はおそらくハヌマーンの手ですが、それ以外は仏の手です。写真2、3枚目は文献に掲載されているジャワ美術の青銅仏の手と比較してみたものです。形状やブロンズの質感など共通するものがあります。また掌(てのひら)の模様も興味深いです。
ヤフオク【プラ屋】からのお知らせがあります。来週9月2週目より、以前から出品していたものを中心に1、2割ほど価格調整を致します。理由は円安タイバーツ高の為です。ご理解の程、宜しくお願い致します。

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ヤショーダとクリシュナ(その2) [タイ発]

チャンセン出土の人物像残欠です。これを紹介された時に、以前ロッブリーのナーラーイ国立博物館でみたことを思い出し、撮影した写真を見直すと見つかりました(写真2、3枚目)。同型だと思います。入手した写真1枚目は、博物館のテラコッタ像の子供部分の残欠ですが、状態はかなり良く、顔がよく残っています。また長髪で耳飾り、首飾り、腕輪をつけていることが分かります。断定は出来ませんがおそらくこの像はクリシュナ神の子供時代の像で、大人の女性は育て親のヤショーダではないかと思っています。以前入手したクリシュナと思われる像の記事を貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2021-07-11
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<追記>2023年10月1日 ロッブリーのナーラーイ国立博物館の展示品の詳細な写真を入手したので写真追加します。ヤショーダとクリシュナとして記事にしましたが博物館の見解ではHariti(ハリティー、鬼子母神)のようです。またこの鮮明な写真との比較から、入手したものと博物館のものとは型が異なるかもしれません。参考まで。
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弥勒菩薩に変身したヴィシュヌ神像 (扶南美術) [ベトナム発]

歴史博物館(ホーチミン市)に展示されている扶南国の弥勒菩薩像(砂岩、7〜8世紀、ビンロン省出土)と写真4枚目、タイ東北部出土の弥勒菩薩像の上半身残欠(ブロンズ製)を比較(写真5枚目)してみました。(写真1〜3枚目)大型の弥勒菩薩像(砂岩製)はヴィシュヌ神の化身と博物館の記述にあり、他ではほとんど見ることはないとても珍しいものです。タイ東北部でも大型の弥勒菩薩像がブリラム県プラコーンチャイ郡やナコーンラーチャシーマー県から出土しています。特にプラコーンチャイ出土の青銅製の菩薩像は海外でも評価が高く、そのほとんどの優品がアメリカやヨーロッパの博物館やコレクターのコレクションになっています。このブログでも何度か記事にしていますので過去記事のリンクを貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2019-10-04
前置き長くなりましたが頭部を比較した写真でも分かるように顔や美術様式が非常によく似ています。この2点はほぼ同時期に作られたものだと思います。

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Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Fashion Studies)

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扶南美術とドヴァーラヴァティー美術 比較 [ベトナム発]

歴史博物館(ホーチミン市)に展示されている写真右側の扶南国の木製仏(国宝、6〜7世紀、ドンタップ省出土)とタイ東部出土のドヴァーラヴァティー期青銅仏(7世紀後半〜8世紀初)を比較(写真1、2枚目)してみました。このベトナム歴史博物館(ホーチミン市)には計4体の木製仏が展示されています。そのうち一番右側の2メートル以上ある木製仏だけが「腰をくねらせた」タイプのものです。タイ出土の同タイプの青銅仏(左側)と見比べるてみても、体形や姿勢がとてもよく似ています。タイとベトナムは隣接していませんが、互いにその間にあったカンボジアのプレ・アンコール美術(6〜8世紀)の影響を受けたとすれば理解しやすいです。また国によって少し見解は異なりますが、この時期は現代のタイ中部から南部、カンボジアとベトナム南部は扶南王国の支配下(写真6枚目)にあったとされていますので納得出来ます。最後の写真は機内から撮ったメコンデルタ付近の眺めです。参考まで。
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<追記>2023年10月27日 同じ青銅製のプレアンコール期(アンコール・ボレイ様式)の仏像(左側)とも比較してみました。年代的にも近いもので体型や姿勢がよく似ています。この時期の仏像頭部は少し顎を引き、若干うつむきかげんです。胸部はフラット、お腹部分は少し出ています。体のラインが繊細に表現されています。
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ミャンマー ラカイン州 アラカン青銅仏 16〜17世紀 [ビルマ発]

珍しいアラカン王国の青銅仏を手に入れました。アラカン王国はミャンマー西部ラカイン州ミャウー(Myauk-U)で15世紀頃〜18世紀まで栄えた王国です。現在でも16世紀ごろの最盛期に建てられた遺跡群が大きなダメージなく残っています。写真が入手した青銅仏ですがかなり小型です。仏像部分だけならプラクルアン(お守り)サイズかもしれませんが、美術的には他のビルマの仏像とは異なる特徴的な美術様式をもっています。その1つがこの幾何学的なデザインの台座です。下から2枚目の写真は文献写真のものと並べて撮った写真ですが、台座の形状や美術様式がそっくりです。また少し前かがみの姿勢もこのアラカン美術の特徴だと思います。最後の写真が(文献に掲載されている)遺跡内部の仏像と比べてみたものですが、姿勢(頭部の傾き等)や頭頂部の形状がそっくりです。アラカン青銅仏は東京国立博物館にも文献同様のものが数点展示されていますので興味のある方はぜひ行って見て下さい。
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<追記>2023年9月12日 頂いたコメントから台座はヨニということが分かりました。またそこから、この小さな仏像部分がリンガをイメージして作られたことが推測出来ました。下の写真はベトナム南部アンザン省博物館に展示されているオケオ出土のリンガとヨニ(国宝、5〜6世紀)です。出土地、年代もまったく異なりますが比べてみました。何となくバランスが似ています。台座のサイズに対し、仏像部分がやけに小さく不自然さを感じていましたがこれで少し謎が解けたような気がしました。参考まで。
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Burma's Lost Kingdoms: Splendours of Arakan

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銀製ハヌマーン 高僧クバー・ゲーウ(タイ北部プレー県 ) [プラクルアン]

タイ北部 プレー県の高僧クバー・ゲーウのお守り銀製のハヌマーンです。銀ケース入れが完了し、写真撮りもしたので再度掲載します。仏暦2519年(西暦1976年)に発行されたものです。昨年2022年12月にタイ北部 ランプーン県で開催されたお守りコンテストで部門1位に入賞しました(写真6、7枚目)。下から3番目の写真は銀ケースに入れる前の元箱に入っていた時の写真、一番下の2枚の写真はプレー県のお守り写真集に掲載されているものです。3つのうち、一番上のものが銀製、真ん中と下のものがナワ製です。赤いケースに入った銀製は299個発行され、水色のケースのナワ製(金メッキなし、金メッキあり)は999個発行されました。2022年12月のお守りコンテストの記事のリンクを貼りつけておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2022-12-29
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