忘れないうちに記事にしておきます、先々週の日曜日にタイ北部ウタラディットで開催されたお守りコンテストに参加して来ました。ウタラディットは一応北部に入りますが、スコータイ県やピサヌローク県に隣接しておりとスコータイ美術やタイ中部のアユタヤ美術の影響を受けています。タイ北部のランナー美術やチェンセン美術の影響も少しは受けていると思いますが、ウタラディット北側に隣接するプレー県までがランナー文化圏だと思います(はっきりとした線引きは出来ません)。またウタラディット県は若干ラオス(サイニャブリー県)に隣接しており当時ランサーン(ランチャーン)美術の影響を受けたと思います。ウタラディットのことはほとんど分からないので、感覚的な説明しか出来ません。(記事は下に続きます)

お守り大会はそのウタラディット市内中心部から少し離れた大学で敷地内で開催されました。大会前日ウタラディットに到着したのが夕方近かったので場所を確認しがてら会場を見に行きましたが、コンテスト会場の準備している段階でした(写真2〜6枚目)。写真7〜9枚目がコンテスト当日の様子です。コンテスト結果は出品1点のみですが見事に1位を取りました(写真10、11枚目)。お守りはカンペーンペット出土のカンペーン・ウートン仏です。カンペーン・ペット県出土のベンジャパーキーでプラ・スンコーやプラ・メットカヌンが出土した寺(遺跡)で出土したものです。下の写真は文献に掲載しているものとの比較(写真14枚目)とウートン青銅仏との比較(写真15枚目)です。ウートン美術初期の影響を受けており年代的にもスコータイ時代とほぼ同時期14〜15世紀のものでプラ・スンコーとほぼ同時期に制作されたものだと思います。このように出土系のお守り(プラクルアン)は当時作られた大きな青銅仏とも比較することが出来ます。最後の写真3枚はこのコンテストで項目別1位の賞品です。ナコーンラーチャシーマ県ワット・バーンライ寺で昨年2565年に発行されたお守りで現住職の高僧ルアンポー・トーンらによって入念されたお守りです。高僧ルアンポー・トーンは皆さんもよく知っている前住職の高僧ルアンポー・クーンの弟子です。コロナが終わり、タイのお守り、仏像コンテスト月に2〜4回の頻度で行われています。手持ちの出品出来るものはもうほとんど出品してしまいましたが、またチャンスがあれば行きたいと思います。


The Sacred Sculpture of Thailand

  • 作者: Woodward, Hiram W.
  • 出版社/メーカー: Thames & Hudson Ltd
  • 発売日: 1997/11/10
  • メディア: ペーパーバック