先週初めてハノイに行って来ました。首都ハノイのあるベトナム北部は中国国境にも近い位置にあり、西側の山岳部はラオス国境と接しており、ベトナム南部と異なりカンボジアには接していません。ベトナム中部のチャンパ王国のあったミーソン遺跡はクメール美術(カンボジア美術)の影響を受けていますがベトナム北部やハノイ周辺の発掘品は純粋なベトナム美術と言っていいのかも知れませんが古い時代のものは中国・唐の影響(写真12枚目、15枚目)を受けおり、南部とは美術様式が違ってきています。そのことからハノイに来るのが後回しになってしましました。ところが今回訪れたハノイ中心部にあるベトナム国立歴史博物館にはベトナム南部のオケオやホーチミン周辺の扶南時代の出土品の展示室がありホーチミン市歴史博物館でも見られた東南アジア最初期(4〜6世紀)の大型の仏像が2体展示されていました。扶南国(オケオ文化)のものです(写真1〜9枚目)。本当に素晴らしい一木造の仏像で事前に情報を得ていなかったのですが見ることが出来てラッキーでした。またミーソン遺跡出土の石像も展示されていましたがその中でも最初期(7〜8世紀)の石像頭部が写真10、11枚目です。写真13、14枚目はハノイ周辺から出土したもので龍や鳳凰がデザインされています。タイやカンボジア、ベトナム南部にはない美しい美術様式です。簡単ですが報告まで。

Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia

  • 作者: John Guy
  • 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
  • 発売日: 2014/05/06
  • メディア: ハードカバー