ヴィンロン省博物館(オケオ文化 ) [ベトナム発]
先週、1年ぶりにホーチミン市からさらに南のメコンデルタに行って来ました。今回の目的の1つがこのヴィンロン省博物館でした。初日にカントーのホテルにチェックインし、翌日からカントーを拠点にヴィンロン省、ティエンジャン省、アンザン省に行ってきました。記事はまず最初に行ったヴィンロン省博物館です。ここには扶南国の3つの遺物が展示されています。写真4枚目はヴィシュヌ神像です。この石像は国宝です。次に中央の大型の像はサラスヴァティー神像(ビンズー教の女神)です。最後は右側のリンガです。共にヴィンロン省て出土したヒンズー美術の6〜7世紀のものです。いいものが見れ来た甲斐がありました。これでオケオ周辺の博物館はすべて見ることが出来ました。最後から2枚目の写真はコレクションのヴィシュヌ神像とこの博物館のヴィシュヌ神を横から見て比較したものです。見ての通り、上半身が斜めに反ったスタイルはこの時代に作られたヴィシュヌ神の特徴の1つだと言っていいと思います。ただ(これは私の推測ですが)博物館のヴィシュヌ神像は首が補修されているかもしれません。というのは顔の向きがまっすぐになっているからです。元々は少し斜め上を向いていたのではないかと思います。参考に過去の記事リンクを貼り付けておきます。同時期の他のヴィシュヌ神像のスタイル(側面)を比較してみた記事です。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2023-01-23
最後の写真はヴィンロン省とティエンジャン省の県境のメコン川に架かるミートゥアン橋から撮影したもの(東側)です。
最後の写真はヴィンロン省とティエンジャン省の県境のメコン川に架かるミートゥアン橋から撮影したもの(東側)です。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Fashion Studies)
- 作者: Guy, John
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
Arts of Ancient Viet Nam: From River Plain to Open Sea (Museum of Fine Arts)
- 出版社/メーカー: Museum of Fine Arts Houston
- 発売日: 2009/03/24
- メディア: ハードカバー
ヴィシュヌ神
横から首と胴との付け根に筋状のものがあり、たぶん、接着面だと思います。
また、こん棒を持つ腕・肘の石材の色が違う。
この像については、腹の出っ張り方、背中の湾曲の仕方、
自然体の経ち姿ではない。妙に力が入っている・・・
同時期の観音菩薩の立ち姿は、自然体ですが・・。
これは、男と女の違いでしょうか??
by へのへの茂平爺 (2023-09-07 16:21)
(実物を見ていますので分かりますが)博物館のものはおそらくが補修があります。ただ補修で元の状態(オリジナル)に(可能な限り)再現しているのであれば拝観者にとって勉強になると思います。記事の後半は少しマニアックですが今まで見てきたヴィシュヌ神像の美術様式と比較して推測したものです。断定は出来ません。
by プラヤー (2023-09-07 21:10)
背の背後から腕4本を掘り出すので、重量バランスを含め、
このような形になるのかもしれませんね!!
掲載・記載されている他のヴィシュヌ神も、背後からの腕の表現はバランスを取るのが、難しいと思われます。
大変失礼しました。
by へのへの茂平爺 (2023-09-08 14:41)