特注のステンレスケースが届いたのでさっそくテラコッタ製の人物像を入れた。サイズはピッタリ、これでこの像も一生安泰だろう。写真2枚目は以前にも掲載したドヴァーラヴァティー期砂岩製の仏像(8世紀、ボストン美術館所蔵)との比較です。仏陀像と人物像との違いはありますが全体的に顔のバランスが共通しており、口の形状はとてもよく似ています。この笑みが「アルカイックスマイル」と呼ばれるものではないかと思っています。アルカイックスマイルは日本の飛鳥仏や白鳳仏、また百済仏に見られる特徴の一つのようですが東南アジアの初期の砂岩製やテラコッタ製、また漆喰(スタッコ)製、ブロンズ製の仏像にも同様の微笑んだ形状の口が見られます。ドヴァーラヴァティー美術の特徴でもあり、魅力のひとつだと思います。

Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia

  • 作者: John Guy
  • 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
  • 発売日: 2014/05/06
  • メディア: ハードカバー