ブログ引っ越しのお知らせ [タイ発]
いつもブログ「タイ骨董日記」を読んでいただきありがとうございます。2006年にスタートして、来年で18年目を迎えます。来年は「はてなブログ」から情報発信して行きます。既に2018年から2023年までの記事は移行済みです。新しいアドレスは以下の通りです。今後とも宜しくお願い致します。
https://thaikottou.hatenablog.com/
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直し、修理について、このブログの趣旨 [タイ発]
古美術品、骨董品にはよく直し(修理)があります。まー仕方ないと思います。私は本物の美術であれば壊れたものでもたとえ破片であっても購入します。基本、直しの無いものです。でもちょっとだけの直しならOKです。例えば塼仏片などオリジナルのもの同士を単純に接着させて直したものです。それも接合部が分かる単純な直し方で、新たに何も加えない、何も盛らない修理です。それなら、美術もほぼ当時のオリジナルのままで、全体像も小さな破片だけでみるよりも当初のものに近いからです。完全なもの(完品)は確かにいいと思いますが、1000年前後、前のもので完品はほとんどないと思います。もしあっても高価だったり、修理を疑ってしまうものは買いたくありません。それなら出土したままの状態のものはもっともオリジナルに近く、石のように表面にこびりついた土もあまり無理に落とさずそのままの状態がベストだと思っています。一方で博物館の展示品はよく修理されています。修理のレベルもいろいろとあるかもしれません。しかし、やはり国が管理する国立博物館のもので、正しい見解の元て直されたものですので、直しがあってもとても勉強になりますし、何より博物館では超一級のお宝を間近で見ることが出来ます。骨董や美術様式の勉強をするなら、図録、文献もいいですが、いつかは現地の遺跡、寺院や博物館に足を運んで、実物を見て勉強するのがベストだと思います。ただ、簡単な事ではありません。時間も費用もかかりますが、幸運にも、東南アジア初期のヒンドゥー、仏教美術を見るためにたくさんの博物館を見て回ることが出来ました。このブログでは主に自分が購入したものを、博物館のものと比較して記事にしています。博物館の展示品の写真は100%ではありませんが主に自分で現地で撮影したものです。ブログの目的は今まで集めてきたものの記録とまとめです。そして何よりも、自分自身が納得出来るまで追究をしています。売り手が言う「本物」という言葉や、「どこどこ出土」「何時代、何様式」とか、それらしい言葉や表現ははっきり言えば誰でも口で言ったり、文にすることが出来ます。だからブログでは具体的で分かりやすい記事になるように、公的なもの(遺跡、寺院、国立博物館や海外の有名博物館のコレクションなど)と比較しながら年代やおおよその出土地を追究したり再確認しています。また一部のお守り、プラクルアン、仏像についてはタイのコンテストに実際参加し、その時の様子や結果を記事にしています。それらがそのまま「本物の証明」にはならないかもしれませんが、真偽の証明代わりになると思っています。私は何の肩書きもないただの仏像好き「自称コレクター」ですので、これらの記事が私の出来る精一杯のまとめです。言葉では勝負したくありません。写真と内容を見て、楽しんでもらえれば幸いです。写真はベトナム中部ニャチャンのポー・ナガール寺院です。
ドヴァーラヴァティー期 人物像残欠(テラコッタ製) [タイ発]
ナードゥン郡出土(マハーサーラカーム県)の塼仏片(仏頭部) [タイ発]
ナードゥン出土、ドヴァーラヴァティー期の塼仏片を入手しました。小さなテラコッタの欠片ですが、仏陀頭部、菩提樹、太陽または月、そして仏塔部分の塼仏片で材質感もいい感じです。写真3枚目は文献に掲載されている同型の塼仏の完品(コーンケーン国立博物館蔵)です。写真4枚目は並べて比較してみたものです。これだけでもいろいろと勉強出来ます。サイズ的にお守りケースに入れて携帯出来そうです。年代は9世紀頃のもの。以前記事にしたナードゥン郡の仏塔のリンクを貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2020-08-02
希少なもの [タイ発]
骨董品やアンティークはいくらでもあります。タイや東南アジアの骨董品もタイに行けばいろいろと見つかると思います。希少なものでも探してお金を出せば買えます。それって「希少」と言えるのですか? その通りです。最近は、、というか、かなり以前からですが、特に商品の売り文句などに「希少」という言葉がかなり多く使われているように思います。例えば、発行数が少なく2つしか買えなかったお守りをヤフオクやメルカリで希少と謳って出品しても、大して希少ではないと思います。又、発行数が少ない人気高僧のお守りも、べつに「希少」とは言えません。お金を出せば買えるからです。骨董品やお守りに限らず、以前作られた売れ残りの品物が保存状態良く残っていても、ぜんぜん希少ではありません。又、寺の高僧ではなくお守りを専門に作る現代の(祈祷師)のような方が10個限定で作った(希少と謳われる)お守りなど、最初から商売を目的として作っているものなので、ありがたみがありません。ブログを始めた初期の頃は私もよくこの「希少」という言葉を使っていたかもしれませんが今は使わないようにしています。なぜなら軽々しく使う言葉ではないからです。では「希少」とは何かというと、英語の「precious」に近いのではないかと思います。「尊いもの」です。誰もが人生の中で1、2つぐらい手にする宝物です。それぐらい大切なものです。人それぞれ意見は異なりますが何かの参考になれば幸いです。以上
ナードゥン郡出土(マハーサーラカーム県)の塼仏残欠 [タイ発]
タイ東北部ナードゥン郡出土の塼仏片を入手しました。ドヴァーラヴァティー様式の仏陀立像、上半分の塼仏片で、上部の左右の角には太陽と月、また仏陀両わきには仏塔が見えます。仏陀後方の木はおそらく菩提樹だと思います。またこの塼仏裏面には赤色の古代文字(おそらくモン族の文字)がかすかに残っており、かなり貴重な残欠片と言えます。最後の写真は文献に掲載されているナードゥン出土の塼仏(コーンケーン国立博物館蔵)裏面ですが、状態は異なりますが同様の文字が見えます。年代は8〜9世紀のものです。下のリンクの文献にも同型のものが掲載されていたと思います。
ドヴァーラヴァティー期の塼仏片 倚像(ナードゥン郡出土) [タイ発]
タイ東北部、ナードゥン郡出土の倚像の塼仏片を手に入れました。倚像の塼仏は日本でも仏教美術が伝来した来た頃の飛鳥時代や奈良時代のものに見られます。もともとはインドから流れて来た美術で中国の唐時代(初唐)、東南アジアではタイ初期の美術であるドヴァーラヴァティー期やシュリーヴィジャヤ期、またミャンマーのピュー時代、カンボジアのプレアンコール期などの仏像に見られます。写真4枚目は東京国立博物館に展示されている倚像の塼仏(飛鳥時代、7世紀)と写真6枚目も同じく東京国立博物館に展示されている砂岩製の仏像(唐時代、8世紀)とそれらと並べて比較したものです。塼仏の比較では型は異なりますが、美術様式に多くの共通点が見られ、腰や下半身の衣のラインなどもよく似ています。年代的にも同時期ごろのものだと思いますが、ナードゥン郡出土の塼仏は8〜9世紀ごろのものと言われています。
<追記>もう1点比較してみました。こちらも東京国立博物館に展示されている飛鳥時代の塼仏(7世紀、明日香村 橘寺出土)です。参考まで。
<追記>もう1点比較してみました。こちらも東京国立博物館に展示されている飛鳥時代の塼仏(7世紀、明日香村 橘寺出土)です。参考まで。
ナードゥン郡出土(マハーサーラカーム県)の塼仏片 [タイ発]
久しぶりにナードゥンの塼仏を入手しました。出土前からの破損はありますが仏像部分がよく残った塼仏残欠です。有名な型で文献にも掲載(写真2枚目)されています。文献のものを見ての通り、菩提樹の下で瞑想する仏陀の型で仏陀の両脇には仏塔がデザインされています。型の中で仏像部分が占める割合が大きく、又、型に奥行き(立体感)があり、ドヴァーラヴァティー様式のとても迫力ある塼仏です。今回入手したものにもハスの花台座や仏塔の一部がよく残っています。写真3枚目は文献掲載(左下のもの)のものと比較した写真です。年代は8〜9世紀頃のものです。
青銅手コレクションとお知らせ [タイ発]
ブロンズ製の仏の手コレクションです。正確には写真1枚目の一番上の手は菩薩の手、下から2つ目はおそらくハヌマーンの手ですが、それ以外は仏の手です。写真2、3枚目は文献に掲載されているジャワ美術の青銅仏の手と比較してみたものです。形状やブロンズの質感など共通するものがあります。また掌(てのひら)の模様も興味深いです。
ヤフオク【プラ屋】からのお知らせがあります。来週9月2週目より、以前から出品していたものを中心に1、2割ほど価格調整を致します。理由は円安タイバーツ高の為です。ご理解の程、宜しくお願い致します。
ヤフオク【プラ屋】からのお知らせがあります。来週9月2週目より、以前から出品していたものを中心に1、2割ほど価格調整を致します。理由は円安タイバーツ高の為です。ご理解の程、宜しくお願い致します。
ヤショーダとクリシュナ(その2) [タイ発]
チャンセン出土の人物像残欠です。これを紹介された時に、以前ロッブリーのナーラーイ国立博物館でみたことを思い出し、撮影した写真を見直すと見つかりました(写真2、3枚目)。同型だと思います。入手した写真1枚目は、博物館のテラコッタ像の子供部分の残欠ですが、状態はかなり良く、顔がよく残っています。また長髪で耳飾り、首飾り、腕輪をつけていることが分かります。断定は出来ませんがおそらくこの像はクリシュナ神の子供時代の像で、大人の女性は育て親のヤショーダではないかと思っています。以前入手したクリシュナと思われる像の記事を貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2021-07-11
<追記>2023年10月1日 ロッブリーのナーラーイ国立博物館の展示品の詳細な写真を入手したので写真追加します。ヤショーダとクリシュナとして記事にしましたが博物館の見解ではHariti(ハリティー、鬼子母神)のようです。またこの鮮明な写真との比較から、入手したものと博物館のものとは型が異なるかもしれません。参考まで。
<追記>2023年10月1日 ロッブリーのナーラーイ国立博物館の展示品の詳細な写真を入手したので写真追加します。ヤショーダとクリシュナとして記事にしましたが博物館の見解ではHariti(ハリティー、鬼子母神)のようです。またこの鮮明な写真との比較から、入手したものと博物館のものとは型が異なるかもしれません。参考まで。