かなり前に入手したハリプンチャイ期ブロンズ製の頭部(写真1〜3枚目)です。年代的には12〜13世紀頃のものです。繋がった眉、切れ長の目、少しエラの張った輪郭等、特徴的な美術様式は前時代のドヴァーラヴァティー美術やまたインド、バングラデシュのパラ美術、ミャンマーのパガン美術からの影響を受けています。ハリプンチャイ期の仏像はほとんどがテラコッタ製(土製)でブロンズ製の仏像はごく僅かしか作られていませんがランプーン市内のハリプンチャイ国立博物館には同時代の大型のブロンズ製頭部(写真4、5枚目)が展示されています。写真4枚目はドヴァーラヴァティー美術の影響がまた濃く残っているので10〜11世紀頃?かもしれません。また写真5枚目はウートン美術の影響が見られるので13世紀末〜14世紀にかけてのものではないかと思います。写真6枚目はハリプンチャイ時代の仏像がそのまま残っているランプーン市内のワット・チャーマテーウィー寺院です。久しぶりに行きたくなりました。

Buddhist Sculpture of Northern Thailand

  • 作者: Stratton, Carol
  • 出版社/メーカー: Serindia Pubns
  • 発売日: 2003/06/01
  • メディア: ハードカバー