久しぶりにラオス ラーンサーン王国時代の青銅仏を入手しました。すごくいいものです。サイズは見ての通り小型ですが、迫力があります。ズシっとくるラーンチャーン仏(ここからタイの呼び方にします)で、質感のあるブロンズは黒光りしています。頭部が大きく見えるかもしれませんがこれは台座から仏像頭部先端までのシルエットが尖った三角形になるようにバランスを考えて作られている為です。写真4、5枚目はタイ東北部ナコンパノム県の仏塔タートパノムから発掘されたラーンチャーン様式の青銅と銀製の仏像(共にタートパノム博物館蔵、16世紀末〜17世紀)と比較したものですが、見ての通り美術様式(顔、体型等)がそっくりです。ほぼ同時期に作られたものだと思いますがラーンチャーン末期(18世紀)までを含め、製作年代は17世紀〜18世紀としておきます。最後の比較写真3枚は同時期の青銅仏頭部(右側、ヤフオク出品中)と比較したものです。サイズは異なりますが顔の表情、バランス等が近く、共にラーンチャーン様式のいい顔をしています。ラオスやタイ東北部では庶民仏が多く作られており、ラオス仏も全体的にそれに近い庶民仏的な仏像と思われている部分があるかもしれません。しかし実際はラーンチャーン様式という固有の美術様式があります。同時期、タイ中部のアユタヤ時代の仏像は洗練された優雅な美術です。ラーンチャーン様式はまたそれとは違う少し人間味のある温かな表情をしており、それがラーンチャーン美術の一番の魅力だと思います。特徴について詳しく文で書けませんが今回の記事で少しでもラーンチャーン美術の良さを共感してもらえれば幸いです。