ネタが見つかったので久しぶりにこの「仏像の目で年代が分かる」シリーズの記事を書きます。先日記事にしたシーテープ出土のドヴァーラヴァティー期の塼仏ですが、文献に掲載されている砂岩製の仏像頭部(バンコク国立博物館)に目や眉の形状、顔の輪郭等が近い作品がありましたので比較した写真を掲載しておきます。砂岩製の頭部は7世紀後半〜8世紀となっているのでこの塼仏も8世紀前後のものと言っていいと思います。出土地の違いもそうですがこれだけサイズの異なる作品でも同じ美術の仏像が生まれる訳ですから時代々のトレンド(美術様式)の影響力は本当に凄いですよね。ちなみに下にリンクしている文献の表カバーの仏像とも美術様式が近いです(7世紀の作品となっています)。
以下、追記です。

ロッブリー県のソムデット・プラナラーイ国立博物館にも同型の塼仏が展示されていましたので参考に写真を追加しておきます。(頭から下の部分です。)

Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia

  • 作者: John Guy
  • 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
  • 発売日: 2014/05/06
  • メディア: ハードカバー