春節前からいろいろと大変なことになっていますが、タイでは例年通り新年を祝い朝から爆竹が鳴り響き、多くの人が赤い服を着て過ごし、家内安全、金運向上の縁担ぎをしていました。私の所にもタイミング良く赤い塼仏(写真1〜4枚目)が届きました。スラータニー県プンピン郡出土、シュリーヴィジャヤ期のもので前から欲しかった小型、お守りサイズの塼仏です。さっそく以前ついでに買っておいたステンレスケースに入れてみたところ、何とサイズがピッタリ。スッ素晴らしい、、。話はまだ続きますが、写真5枚目は同出土地の同型の塼仏でタイ南部のコレクターのほぼ完品のコレクションです。中央は瞑想する仏陀、左側は法輪、右側は仏塔、上は菩提樹を表しています。また仏陀の下は蓮の花模様の台座になっています。私の入手した塼仏はここまで状態は綺麗ではありませんが赤茶色のとてもいい風合のある塼仏です。表面が艶のある赤茶色になったのは出土前のいろいろな環境による影響だと思います。タイ北部ランプーン県出土のお守りプラ・コンでも稀にこのような赤茶色のものが出てきます。最後の文献写真はラーチャブリー県クーブア遺跡で発見された石板製の塼仏(7世紀)で現在ラーチャブリー国立博物館に展示されています。かなり重要な出土物で文献の表紙になったり、一時期はバンコク国立博物館の特別展にも出展されていました。この塼仏はスラータニー県プンピン郡出土のものと比べてかなり大きめですがプンピン郡出土のものと美術様式がまったく同じ貴重なものなのです。、、という訳で春節期間中はシュリーヴィジャヤ王国時代の赤い塼仏を身につけて過ごします。
<文献写真追加>出土地に近いスラータニー県チャイヤー郡出土の仏像(砂岩製)です。参考まで。

Votive Tablets in Thailand: Origin, Styles, and Uses (Images of Asia)

  • 作者: M. L. Pattaratorn Chirapravati
  • 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
  • 発売日: 1998/04/01
  • メディア: ハードカバー