博物館級のテラコッタ片を入手しました。ドヴァーラヴァティー期の土器の欠片ですがなんとラクシュミー神が模様になっています。先日にも記事にしたヒンズー神のラクシュミーは富と美の女神でおそらくかなり位の高い人物が使用するための器もしくは儀式に使う器だったのではないかと思いますがはっきりとは分かりません。同様のものはチャンセン博物館に展示されているライオン(獅子)模様の土器片(写真4枚目)がありますがとても貴重なものです。また最後の2枚はソムデット・プラナラーイ国立博物館に展示されている同時代のものです。薄く模様も繊細でかなりクオリティが高い造りだと感じました。タイ人コレクションでこのほかにクベーラ神模様の土器片も見たことがあります。ちなみにラクシュミー神の両隣は一対の象でこのパターンはインド・ヒンズー美術から影響を受けたものでドヴァーラヴァティー初期にも好まれて用いられたデザインです。以前記事にしたドヴァーラヴァティー期の古代都市チャンセンやウートンでは片側がクベーラ神もう片側がラクシュミー神の塼仏が出土していますが同様のパターンになっています。チャンセン博物館の記事のリンクを貼りつけておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2018-05-18
<追記>2020年6月13日 ケースが仕上がったので写真を追加します。陶器の欠片が素晴らしいお守りになりました。7〜8世紀ごろのものです。


Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia

  • 作者: Guy, John
  • 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
  • 発売日: 2014/05/06
  • メディア: ハードカバー