先月の中旬に5年半ぶりにマハーサラカム県ナードゥン郡の仏塔に行ってきました。行きはバンコクからブリラム空港に降り、翌朝バスでナードゥン郡まで向かいました。写真1枚目はブリラム空港に着陸する直前の辺りの景色ですが本当に何もない田舎町です。さてコンケン行きのバスはナードゥン郡に向かう交差点(丁字路)で降ろしてもらい、そこからはバイクタクシーで仏塔まで(6km強)向かいました(写真2枚以降)。今回はこのナードゥン郡で仏暦2522年に出土したお守り(写真7枚目)を持ってきたのでお守りを両手で持って仏塔周りを3周しました。以前にも書きましたがこのナードゥン郡の仏塔(写真8枚目)は新しく建てられたもので仏暦2522年(西暦1979年)に多くの塼仏の出土と共に発見された青銅製の仏舎利(写真9枚目)は発掘前と同じようにこの新しい仏塔の基盤部に納められています。また仏塔の外観デザインも仏舎利の形状になっています。ちなみに仏舎利が出土した場所(写真10〜12枚目)は現在の仏塔から東へ約2キロ離れたところにあり標識が立てられています。仏塔の南側の小さな博物館に(写真13〜17枚目)は当時の経緯やこの仏舎利の詳細が記録、掲示されており、原寸大レプリカも展示されています。仏舎利は刈り取られ稲ほどの大きさで青銅製。先端部を切り離すことが出来る構造で内部にブロンズ、銀、金の3重構造の小型の容器があり、米や希少な石が納められていたようです(しっかりと読んでいませんがだいたいこんな感じです)。当時この田んぼエリアからの多数の塼仏の発見はかなりのニュースとなり多くの地域住民が競い合うように発掘をしたようでタイ考古学局の担当者もすぐには騒ぎを止めることが出来なかったようです。私のこのコレクションもこの時に出土したもので、何人かの手を渡り私の元に来たものだと思いますが、まーともかく久しぶりの里帰りが果たせて良かったなと思っています。仏塔から来た道を戻り、バスを降りたコンケンに向かう国道の交差点(丁字路)に戻る1キロ弱手前にKu Santarat遺跡と言う12世紀後半から13世紀初めのクメール様式の遺跡がありますが(写真18枚目以降)、遺跡の隣にこのエリアの出土品を展示している地域の博物館があります。入口には仏暦2514年にラーマ9世夫妻がKu Santarat遺跡に来られた時の写真とご寄贈頂いた仏像が大切に飾られています。またここにナードゥンで出土した種々の型の塼仏が展示されています。これらはおそらく2555年に発掘されたものだと思います。今回やっと来ることが出来ました。ナードゥン出土の塼仏はここ以外ではコンケン国立博物館でも同様に種々の型を見ることが出来ます。ドヴァーラヴァティー様式の美しい塼仏で当然タイには多くのコレクターがいます。年代は9世紀ごろのものです。最後の写真はマハー・コップ(偉大なるカエルの神様)です。

Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia

  • 作者: Guy, John
  • 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
  • 発売日: 2014/05/06
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The Roots of Thai Art

  • 出版社/メーカー: River Books
  • 発売日: 2012/08/16
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