タラン国立博物館(プーケット)の記事を書いたので次に今回の成果について書きます。写真1枚目がコレクターの方に譲ってもらったトラン出土のシュリーヴィジャヤ期(8〜9世紀)の塼仏です。今月初めにタラン国立博物館に行ったのはこの塼仏を確認する為でした。この構図と同じ塼仏は大小計5つの型が出土したようですが、博物館の展示品に同一の型のものがあるかどうかを探したところ見つけたのが写真3枚目(写真2枚目の右下)の塼仏です。その下は2点(左が展示品、右が入手品)を並べて比較して見たものです。状態は異なりますがこれらは同一の型、材質感も同じものと分かり無事出土地の確認が取れました。入手した塼仏は仏暦2555年に出土した一部で地元に流れたものだと思います。材質は白っぽい土製で配合物について最近研究が進んでいるようてす。成形後は焼成はされていません。中央が仏陀(倚像)、両脇が観音菩薩像と弥勒菩薩像と言われており、東南アジア以外では中国の唐時代や日本の白鳳時代の塼仏にも似た構図の塼仏があります。サイズ的にはタイ中部の同時期の塼仏よりも小型で繊細な作りです。もう1点同出土地の塼仏(残欠)を入手したのでまた記事にします。
<追記>2020年9月9日 銀ケースが仕上がったので入れて見ました。素晴らしいです。


Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Metropolitan Museum of Art Series)

  • 作者: Guy, John
  • 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
  • 発売日: 2014/05/06
  • メディア: ハードカバー