写真1枚目はバンコク国立博物館に展示されているナコーンラーチャシーマー県ノーンスーン郡出土の大型の青銅菩薩像頭部です。1987年、東京国立博物館で開催された日タイ修好100周年記念「タイ美術展」に日本にも来ており、当時図録の表紙を飾った有名な出展品です。この頭部と一緒に出土した手足や腕の一部のオリジナルを使用して完全な状態に復元した青銅菩薩像(写真3〜5枚目)が現在バンコク国立博物館の特別展(写真2枚目、6月末まで)で会場のメインに展示されています。高さはなんと3メートルを超えるようです。写真6〜8枚目はそのオリジナルの足部分です。私も同県で出土した同年代(8〜9世紀頃)のものと思われる青銅製の足(写真9枚目)を持っているのですが、台座部に直立させる為の突起が各足の足裏にあるのも共通しています。復元時に用いられた手足の残欠はおそらく今回初めて一般公開されたものだと思います。バンコクに行く際は必ず見ておきたい像です。以前の記事「プレアンコール期 菩薩像残欠 足」のリンクを貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2021-01-16-1
ちなみに「目の眼」7月号は日本の観音菩薩像が特集されており、文も多く勉強になります。


Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Metropolitan Museum of Art Series)

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  • 発売日: 2014/05/06
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月刊目の眼2021年7月号(十一面観音 光の旅)

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