タイ東北部、ナードゥン郡出土の倚像の塼仏片を手に入れました。倚像の塼仏は日本でも仏教美術が伝来した来た頃の飛鳥時代や奈良時代のものに見られます。もともとはインドから流れて来た美術で中国の唐時代(初唐)、東南アジアではタイ初期の美術であるドヴァーラヴァティー期やシュリーヴィジャヤ期、またミャンマーのピュー時代、カンボジアのプレアンコール期などの仏像に見られます。写真4枚目は東京国立博物館に展示されている倚像の塼仏(飛鳥時代、7世紀)と写真6枚目も同じく東京国立博物館に展示されている砂岩製の仏像(唐時代、8世紀)とそれらと並べて比較したものです。塼仏の比較では型は異なりますが、美術様式に多くの共通点が見られ、腰や下半身の衣のラインなどもよく似ています。年代的にも同時期ごろのものだと思いますが、ナードゥン郡出土の塼仏は8〜9世紀ごろのものと言われています。


<追記>もう1点比較してみました。こちらも東京国立博物館に展示されている飛鳥時代の塼仏(7世紀、明日香村 橘寺出土)です。参考まで。



The Roots of Thai Art

  • 出版社/メーカー: River Books
  • 発売日: 2012/08/16
  • メディア: ハードカバー