チャンパ初期(ベトナム南部)ガラス製の頭部(写真1〜4枚目)です。材質的には古代ビーズに近いと思います。ケースから出して撮影しました。はっきりと分かっていませんがヴィシュヌ神か菩薩の頭部だと思います。今回はメトロポリタン美術館に展示されている弥勒菩薩像(ブロンズ製、写真6〜8枚目)と比較(写真5枚目)してみました。違いはありますが年代的には近いと思います。このようにパッチリと目を見開いた像は(タイ国境付近を含めた)カンボジアのプレアンコール期やベトナム南部(オケオ周辺)で出土した像に見られます。以前ベトナムの博物館で見たヴィシュヌ神(石像頭部)の記事を貼りつけておきます。こちらの方が近いかもしれません。参考まで。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2019-07-03

<追記>2020年11月18日 ホーチミンの博物館の展示品(6世紀、プノン・ダ様式のヴィシュヌ神像頭部)と比較して見ました。やはりヴィシュヌ神の顔に近いような気がします。参考まで。


<追記>2020年11月28日 先日、飛鳥(白鳳)美術の勉強をしに奈良に行った際、飛鳥資料館で見た古代ガラスの写真を追加しておきます。日本産のガラスが製造され始めたのは飛鳥時代7世紀後半から、百済からの技術交流で初めて可能になったようです。このガラス製の頭部も同時期頃に同様の方法で作られたものではないかと思いました。


<追記>2021年11月5日 記事のタイトル「チャンパ初期(プレアンコール) 頭部」を「扶南(プレアンコール) 頭部」に変更しました。

<追記>2023年9月24日 オケオ文化の文献に掲載されているオケオ出土の古代ビーズの写真を掲載しておきます。実際に博物館の展示品を撮影した写真よりも綺麗で表面の材質感も分かりやすいです。写真3枚目が文献のビーズ(古代ガラス)と頭部を比較(色、材質感)してみたものです。参考まで。


Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Metropolitan Museum of Art Series)

  • 作者: Guy, John
  • 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
  • 発売日: 2014/05/06
  • メディア: ハードカバー