パキスタンの菩薩像 残欠(テラコッタ製) [その他]
約2年前に入手したテラコッタ製の残欠です。ずっと年代と出処が気になっていたのですが先日メトロポリタン美術館で同じ美術様式の像を見つけることが出来ました。それが写真2枚目から5枚目パキスタン北部スワート渓谷のものです。その下の写真はそれらの胴体部を拡大したもので最後2枚はテラコッタ像と比較した写真です。体の形状、肉づきや腰部の布の表現方法が同一ということが分かると思います。またテラコッタ像と同じく肩には螺髪がかかっていました。材質は異なりますがテラコッタ製の残欠で分かる美術様式のほとんどが共通しており、入手先がガンダーラと言っていた点も最初は信じていませんでしたがインド北西部ガンダーラ地方に近いパキスタン北部のスワート渓谷となればまんざらてきとうな説明ではなかったのだと思いました。また展示されているこれらの菩薩像は7世紀と記述されており、とりあえずこれで年代と出処がおおよそ分かり良かったのですが、メトロポリタン美術館では東南アジアのものよりも西側のより仏教の源流に近いインドやパキスタンのものが充実していました。全ての美術を把握していくことはな大変なことですが仏教美術伝来の道筋や美術の移り変わりを把握する上でやはりおおまかでも知っておく必要があると思いました。今後の課題にしたいと思います。テラコッタ像の以前の記事リンクを貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2017-10-07
<追記>2020年7月19日 先日やっとこのトルソーを設置する台のアイデアが思い浮かび発注したものが、無事仕上がり今日モノが届きました。テラコッタなので穴を開けないで設置出来るタイプです。イメージ通りで素晴らしい。
<追記>2020年7月24日 写真3枚追加。こちらもメトロポリタン美術館で展示されて同じくパキスタン北部スワート渓谷の彫刻(大理石製)で中央が仏陀蔵、両脇が菩薩像です。追加した写真1枚目は右側の菩薩像を拡大したものですがテラコッタ製の残欠(トルソー)はちょうどこのような像だったのではないかと思います。
<追記>2021年9月20日 テラコッタ製ではなく粘土製のようです。アフガニスタンのフォンドゥキスタン出土の「飾られた仏陀像(ギメ東洋美術館、8世紀)」と技法や年代も近いと思います。やはりグプタ朝インド美術の影響を受けているようです。タジキスタンのアジナ・テペ出土のものとも年代も近いと文献を見て感じました。
パキスタン北部スワート渓谷の菩薩像(トルソー)の写真を追加しました。
by プラヤー (2020-07-19 02:23)
メトロポリタン美術館に展示されているパキスタン北部スワート渓谷の石像写真を追加しました。
by プラヤー (2020-07-24 00:22)