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希少なもの [タイ発]

骨董品やアンティークはいくらでもあります。タイや東南アジアの骨董品もタイに行けばいろいろと見つかると思います。希少なものでも探してお金を出せば買えます。それって「希少」と言えるのですか? その通りです。最近は、、というか、かなり以前からですが、特に商品の売り文句などに「希少」という言葉がかなり多く使われているように思います。例えば、発行数が少なく2つしか買えなかったお守りをヤフオクやメルカリで希少と謳って出品しても、大して希少ではないと思います。又、発行数が少ない人気高僧のお守りも、べつに「希少」とは言えません。お金を出せば買えるからです。骨董品やお守りに限らず、以前作られた売れ残りの品物が保存状態良く残っていても、ぜんぜん希少ではありません。又、寺の高僧ではなくお守りを専門に作る現代の(祈祷師)のような方が10個限定で作った(希少と謳われる)お守りなど、最初から商売を目的として作っているものなので、ありがたみがありません。ブログを始めた初期の頃は私もよくこの「希少」という言葉を使っていたかもしれませんが今は使わないようにしています。なぜなら軽々しく使う言葉ではないからです。では「希少」とは何かというと、英語の「precious」に近いのではないかと思います。「尊いもの」です。誰もが人生の中で1、2つぐらい手にする宝物です。それぐらい大切なものです。人それぞれ意見は異なりますが何かの参考になれば幸いです。以上

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古く美しきものを求めて―あるオリエント古美術商の生涯

古く美しきものを求めて―あるオリエント古美術商の生涯

  • 出版社/メーカー: 里文出版
  • 発売日: 2016/03/01
  • メディア: 単行本



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ラオスからの贈り物 青銅仏(ラーンサーン王朝時代) [ラオス発]

久しぶりにラオス ラーンサーン王国時代の青銅仏を入手しました。すごくいいものです。サイズは見ての通り小型ですが、迫力があります。ズシっとくるラーンチャーン仏(ここからタイの呼び方にします)で、質感のあるブロンズは黒光りしています。頭部が大きく見えるかもしれませんがこれは台座から仏像頭部先端までのシルエットが尖った三角形になるようにバランスを考えて作られている為です。写真4、5枚目はタイ東北部ナコンパノム県の仏塔タートパノムから発掘されたラーンチャーン様式の青銅と銀製の仏像(共にタートパノム博物館蔵、16世紀末〜17世紀)と比較したものですが、見ての通り美術様式(顔、体型等)がそっくりです。ほぼ同時期に作られたものだと思いますがラーンチャーン末期(18世紀)までを含め、製作年代は17世紀〜18世紀としておきます。最後の比較写真3枚は同時期の青銅仏頭部(右側、ヤフオク出品中)と比較したものです。サイズは異なりますが顔の表情、バランス等が近く、共にラーンチャーン様式のいい顔をしています。ラオスやタイ東北部では庶民仏が多く作られており、ラオス仏も全体的にそれに近い庶民仏的な仏像と思われている部分があるかもしれません。しかし実際はラーンチャーン様式という固有の美術様式があります。同時期、タイ中部のアユタヤ時代の仏像は洗練された優雅な美術です。ラーンチャーン様式はまたそれとは違う少し人間味のある温かな表情をしており、それがラーンチャーン美術の一番の魅力だと思います。特徴について詳しく文で書けませんが今回の記事で少しでもラーンチャーン美術の良さを共感してもらえれば幸いです。

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ナードゥン郡出土(マハーサーラカーム県)の塼仏残欠 [タイ発]

タイ東北部ナードゥン郡出土の塼仏片を入手しました。ドヴァーラヴァティー様式の仏陀立像、上半分の塼仏片で、上部の左右の角には太陽と月、また仏陀両わきには仏塔が見えます。仏陀後方の木はおそらく菩提樹だと思います。またこの塼仏裏面には赤色の古代文字(おそらくモン族の文字)がかすかに残っており、かなり貴重な残欠片と言えます。最後の写真は文献に掲載されているナードゥン出土の塼仏(コーンケーン国立博物館蔵)裏面ですが、状態は異なりますが同様の文字が見えます。年代は8〜9世紀のものです。下のリンクの文献にも同型のものが掲載されていたと思います。
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The Roots of Thai Art

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  • 出版社/メーカー: River Books
  • 発売日: 2012/08/16
  • メディア: ハードカバー



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ドヴァーラヴァティー期の塼仏片 倚像(ナードゥン郡出土) [タイ発]

タイ東北部、ナードゥン郡出土の倚像の塼仏片を手に入れました。倚像の塼仏は日本でも仏教美術が伝来した来た頃の飛鳥時代や奈良時代のものに見られます。もともとはインドから流れて来た美術で中国の唐時代(初唐)、東南アジアではタイ初期の美術であるドヴァーラヴァティー期やシュリーヴィジャヤ期、またミャンマーのピュー時代、カンボジアのプレアンコール期などの仏像に見られます。写真4枚目は東京国立博物館に展示されている倚像の塼仏(飛鳥時代、7世紀)と写真6枚目も同じく東京国立博物館に展示されている砂岩製の仏像(唐時代、8世紀)とそれらと並べて比較したものです。塼仏の比較では型は異なりますが、美術様式に多くの共通点が見られ、腰や下半身の衣のラインなどもよく似ています。年代的にも同時期ごろのものだと思いますが、ナードゥン郡出土の塼仏は8〜9世紀ごろのものと言われています。
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<追記>もう1点比較してみました。こちらも東京国立博物館に展示されている飛鳥時代の塼仏(7世紀、明日香村 橘寺出土)です。参考まで。
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The Roots of Thai Art

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