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東南アジア初期の美術 西側の影響(その2) [タイ発]

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写真1枚目はカンボジアと国境のあるタイ東部サケーオ県で出土したプレアンコール期 プレイ・クメン様式(7世紀後半〜8世紀初め)の青銅仏です。タイ側で出土したプレアンコール期(クメール様式)の仏像なので同時期のドヴァーラヴァティー様式と言われることもあります。この青銅仏は少し西洋的な顔だち(写真2枚目)をしており、以前よりタイやカンボジアの博物館で似た顔つきのものを探していましたが長い間見つけることが出来ませんでした。しかし、やっと比較出来るものを見つけました。写真3枚目がその像でネット上から拝借した写真ですがタジキスタンのアジナ・テパ遺跡(アジナ・テペ)から出土した仏陀像頭部(土製、エルミタージュ美術館蔵)です。タジキスタンというと中央アジアですがタジキスタン南部のアジナ・テペはアフガニスタン国境近くにあります。アフガニスタンにはバーミヤーンがあり、またその東側にはパキスタンのガンダーラ地方があります。写真2枚目と写真3枚目を見比べると顔付きがよく似ていることが分かると思います。年代も同時期7世紀末〜8世紀初めのものです。これら2点の出土地は遠く離れていますが、そのほぼ真ん中に位置するインド北部のグプタ朝の美術(5〜6世紀頃)が西側(中央アジア)と東側(東南アジア)に影響を与えたと地図を見れば納得がいきます。今回比較したアジナ・テペ遺跡出土の重要な遺物の多くがエルミタージュ美術館に展示、保管されているようですが小学館「世界美術大全集 東洋編15・中央アジア」に鮮明な写真が掲載されておりかなり勉強になりました。(以下リンク)


中央アジア   世界美術大全集 東洋編15

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