ドヴァーラヴァティー期と白鳳の塼仏 [タイ発]
かなり以前に入手したドヴァーラヴァティー期の塼仏(テラコッタ製)です。下の写真は奈良県明日香村の川原寺裏山出土の方形三尊塼仏で日本最古(7世紀)の塼仏と言われているものです。見比べてみて、顔つきや細かい点は異なりますが同じ薄い衣を見にまとった倚像(いぞう)で、丸顔や肩幅のある体型も近い。また左右の脇侍菩薩については表情も似ている。その他、蓮の花の台座、光背と菩提樹等、美術様式の共通点が多く、興味深い作例です。タイ東部、プラーチーンブリー県出土。
<追記>2020年12月22日 知り合いが最近手に入れた同型の塼仏片(写真1枚目)を掲載します。この型の塼仏を見るのは10年以上前に写真2枚目の塼仏を入手して以来初めてで、上部分を含めて全体の構図が分かったことはかなりの収穫でした。写真3枚目はこれら2点の塼仏片を組み合わせて合成してみたものです。おそらく多くは作られていない型で写真3枚目のような完品では出土していないかもしれません。年代は7〜8世紀ごろのものです。関連する記事を貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2020-01-12
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
貴重な塼仏片の画像を追加しました。
by プラヤー (2020-12-22 19:33)