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ヴィシュヌ立像(扶南、シュリーヴィジャヤ様式)その5(完結) [ベトナム発]

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先月約3年ぶりにベトナムに行ってきました。1ヶ月弱滞在しましたがそのうちの10日間をメコンデルタで過ごしました。今回は前回行かなかったカントー省博物館とドンタップ省博物館、それからオケオ遺跡をホテルで借りたバイクで廻りました。またクメール族が多く住む街ソクチャン省にも行ってきました。写真1枚目がベトナム南部のメコンデルタと呼ばれる地域の簡単な地図です。見ての通り中心にメコン川とその支流が流れているエリアです。赤い点を付けたところがオケオの位置です。見ての通りオケオはアンザン省にありますがキエンザン省とカントー省の県境に近いことが分かります。メコン川沿い北側(色がクリーム色になっている部分)はカンボジア南部のタケオ州です。扶南国の都市があったとされるアンコール・ボレイやプノン・ダ寺院があるところです。青丸で囲った省は(博物館)訪問済み省です(2023年10月更新)。今日は以前から何度も記事にしてきた(タイ南部で出土した)四臂のヴィシュヌ神の石像(写真2枚目)について自分なりの結論を書きます。写真3枚目は今回の旅で行ったカントー省博物館に展示されているヴィシュヌ神像(砂岩製、6〜7世紀、オケオ文化)でカントー省内で出土したものです。写真3枚目左側の像は上半身部分だけですが文献にも掲載されています(写真7枚目)。写真4枚目は3枚目真ん中の石像を拡大したものです。この像とタイ南部出土のヴィシュヌ神像を比較したのが写真5、6枚目です。見て通り、美術様式、砂岩の材質感もとてもよく似ていました。またサイズ的にもタイではあまり見かけ小型サイズです。写真6枚目は頭部を拡大して比較したものですが、(インド人風の?)彫りの深い顔立ち、耳の形状、写真6枚目の下側の中型サイズ(左:カントー省博物館、右:ロンアン省博物館)のものを含めても言えますが少しタレ目がちで目尻が長い作風もよく似ていました。以上、結論はタイで入手した四臂のヴィシュヌ神像はベトナム南部カントー省又はオケオ周辺で作られたものが当時船でタイ南部のスラータニーもしくはナコーンシータマラート付近に運ばれてきたものだと思います。年代的には扶南末期の6世紀末から7世紀前半頃のものだと思います。参考に以前の記事のリンクを貼り付けておきます。(完結)
https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2021-10-10
https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2021-10-23

<追記>完結しましたがもうひと記事続きを書きましたのでリンク先を貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2023-01-23

Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Fashion Studies)

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  • 作者: Guy, John
  • 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
  • 発売日: 2014/05/06
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