ドヴァーラヴァティー期 テラコッタ人物像 チャイナット出土(その2) [タイ発]
チャイナット出土のテラコッタ製人物像(胴体部)を入手した(写真1〜2枚目)。ロッブリーのソムデット・プラナラーイ国立博物館に展示されているもの(写真3枚目)と同じ型です。先日入手したもうひとつの型と並べてみると文献写真(写真5枚目)と同じ構図になった。写真6枚目はバンコク国立博物館に展示されているドヴァーラヴァティー様式の石像(7世紀)ですが人物像と比較すると体型がよく似ている。この頃のものはほんとうに造形が美しい。人物像の年代も7〜8世紀ごろだと思います。参考に以前の記事「仏像と人物像の頭部を比較」のリンクを貼りつけておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2019-09-03
<追加>2022年5月16日 ちょうどチャイナット県と古代都市チャンセン(ナコンサワン県)に挟まれたシンブリー県インブリー郡のインブリー国立博物館にも同型の人物像残欠が展示されていましたので写真を追加しておきます。一番下は写真を並べて比較したものです。ヤフオク【プラ屋】に好評出品中です。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: Guy, John
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
ランチャーン青銅仏頭部 [ラオス発]
久しぶりにラオスの仏像を手に入れた。ランチャーン後期〜末期(17〜18世紀)の青銅製の頭部です。3枚目は文献のものと比較したもの。癒されるお顔です。
Lao Buddha: The Image and Its History
- 作者: Lopetcharat, Somkiart
- 出版社/メーカー: Art Media Resources Ltd
- 発売日: 2001/09/01
- メディア: ハードカバー
シュリーヴィジャヤ期の塼仏(トラン出土)その3 [タイ発]
また博物館級の塼仏を入手してしまいました(写真1〜4枚目)。トラン出土のシュリーヴィジャヤ期(8〜9世紀)のものです。小さい塼仏ですが写真4枚目の通り構図も細かく、無数の菩薩?が仏陀の周りを囲んでいます。仏陀(倚像)の両脇は観音菩薩と弥勒菩薩だと思います。写真5枚目の右下の塼仏(写真6枚目)はタラン国立博物館(プーケット)に展示されている同出土地の同型のもので最後の写真は並べて比較(左が館蔵品、右が入手したもの)したものです。おそらくトラン以外では出土していない貴重な型だと思います。手ごろなサイズなので銀ケースを作って入れるつもりです。
<追記>2020年9月25日 銀ケースが仕上がったので入れてみた。これでこの塼仏も一生安泰だろう。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Metropolitan Museum of Art Series)
- 作者: Guy, John
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー
お守り、仏像コンテスト(2020年 9月 6日・チェンマイ) [仏像・お守りコンテスト]
日曜日、1年ぶりにお守り、仏像コンテストに行ってきました。今年はコロナの影響で3月半ば以降コンテストがすべてキャンセルになっていましたが8月下旬のバンコクのコンテストから再開しています。今回行ってきた北部チェンマイのコンテストは約2年ぶりの開催でタイ北部からはもちろんのことバンコク、中部そして東北部等のプロ、アマの目利きらが集結し会場は大いに盛り上がっていました。通常通り、土曜日は早朝夜明け前から売買が始まり、コンテストは翌日日曜日に開催されます。日曜日のコンテスト会場では目利きらによるお守りコレクションが展示され普段は図録や文献でしか見れないレベルのものが拝めますのでこれは必見です。今回はタイ東北部出土の塼仏がショーケースに大集合(写真5、6、7枚目)しておりかなり見応えがありました(私のコレクションも2点並んでいます)。ほとんどのものがマハーサラカム県ナードゥン郡出土の塼仏(ドヴァーラヴァティー期 9世紀頃)で大型のもの(カラシン県も含む)はかなり見応えがありました。私は土曜日は少し顔を出したぐらいで日曜日のコンテストメインで参加しました。出品したのは写真の2点(写真8枚目)で今年入手したナードゥンの塼仏(残欠)とパヤオ県シーコームカム寺院発行の初代ナーガのお守り(コイン型)です。結果は写真下から5枚目の通り1位と2位で今回も無事賞品(お守り)をもって帰ることが出来ました。ナーガのお守りは1位を狙って金枠ケースからお守りを取り出して持参したのですが流石にチェンマイ大会だけのことはあります。パヤオ県の目利き方も「これが2位なら1位ってどんなレベルなんだ」と驚いていました。ちなみに写真下から4枚目と3枚目が1位と3、4位です。昨日月曜日にケース屋に外した金枠と一緒に持って行き無事また元どおりに戻りました(写真下から2枚目)。ナードゥンの塼仏は項目にある「タイ東北部の出土仏」カテゴリーもかなり盛り上がっていましたが今回1位になった私が出した型はかなり希少な型なので、お守り提出時(鑑定時)にも「たぶん1位になるよ」と言われたのでおそらく敵(競合相手)が現れずに1位になったのだと思います。最後の写真のように元の銀ケースに戻して無事任務完了。、、という訳で今回も頑張って来ました。参考までに7月に行った「ナードゥン郡の仏塔と塼仏」記事のリンクを貼り付けておきます。https://thaiart.blog.ss-blog.jp/2020-08-02
菩薩頭部 テラコッタ製 [タイ発]
とても珍しいものを手に入れた。テラコッタ製の頭部で写真1枚目のようにとても小さいが顔の造りが素晴らしいものです。コレクターに譲ってもらったもので、おそらく東南アジアではなくインドかスリランカ付近のものではないかと思っていますがまだ分かっていません。髪を上部に結い上げた様式や顔つきから見て東南アジア初期の菩薩像の美術に近く、年代的に近いと思っていますが束ねた髪の形状は東南アジアのものとは少し違います。参考に写真3枚目はカンボジア南部(ギメ東洋美術館蔵、7世紀末)のもの。写真4枚目は日本の国宝、五智如来像の中心、大日如来像(平安時代前期、9世紀中頃)と比較して見たものですが頭部の形状や顔の輪郭が少しだけ似ている。継続して追究して予定です。
<追記>2020年9月13日 スコータイ時代の出土仏(お守りサイズ)に少し近いものがありましたので比較してみました。ランカー(スリランカ)美術の影響を受けたもので年代的には14〜15世紀ごろのものです。仏像頭部はスリランカのものかもしれない。本を持ってたはずなので今度確認してみます。
<追記>2021年3月20日 文献からスリランカ ポロンナルワ遺跡地区ガル・ヴィハーラの涅槃仏とその頭部の比較画像を追加しました。12世紀ごろの全長14メートルの涅槃仏です。顔のパーツの形状やバランスが近いように見えます。参考まで。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Metropolitan Museum of Art Series)
- 作者: Guy, John
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー